Q
Tさんは、以前、英語に関わる仕事をしていたこともあって、昨今の訪日外国人がどんどん増え続けている状況を、興味深く見ている。2013年に1000万人を超えた訪日客は、2018年には3119万人となり、オリンピック開催の2020年の目標は、4000万人だという。これにあわせて、受け入れ態勢の整備が急務とされている中、Tさんも英語を活かした仕事をしたいと思うようになった。今、Tさんの念頭にあるのは、インバウンド事業者向けに英語化を進める仕事である。このアイデアを実現していく上で、今の自分に何が必要か、タロットで見ることにした。
R・Tさん 30代 神奈川
A
(1)現状
現状 |
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①現状は「女帝」Rが出た。Tさんには、この人物は自分自身で、王笏を見つめているように見える。カードは逆向きであることから、手にしている王笏をしっかり使えない自分、考えが凝り固まっていて、方針を決めきれない自分の姿とだぶった。逆向きはショックだが、カードの指摘はわかるように思った。何事をするにも、丁寧にきちんとやろうとするあまり、時に、自分の理想が強すぎて、柔軟に現実に対応することが苦手な自分。だから、何かしようとひらめいても、「では、そのためにまずこれをして、次にこうしよう!」と考えが躍動していかない。「インバウンド事業者向けの英語化」のアイデアも、まさにそうだ。Tさんは、カードから、「アイデアはいいけれど、具体的な企画に練り上げないと先に進めませんよ」と、厳しい指摘の声を聞いた。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯も「13」が逆向きである。Tさんは、前向きになれない自分がよくあらわれていると思った。以前していた英語の仕事は、需要は十分あったにも関わらず、自分の描く理想と現実のギャップが埋められずに辞めた。苦い思いをしたせいか、自分のやることに自信が持てない、決断すべき時に決断しきれない、その結果、いろいろなものがバラバラになってしまった、振り返れば、辛かった場面がいろいろ思い出される。まだ、引きずっているのだ。
(3)展望
③展望も「運命の輪」が逆向き。3者が一つの輪を回している様子が注目されるが、カードは逆向きなので、お互いの連携がうまくいかず、輪が回転していないように見える。今回のアイデアは、一人でできることではないので、これから協力を得られるような人間関係がポイントだと思った。カードでは、上を向いて輪にしがみついている動物が自分で、輪の上にいるのは、他の人に違いないと思ったTさんは、自分の関わり方が問われていると痛感した。
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④「女帝」Rの対策カードは「宙吊り」で、この人物は落ち着いた表情で逆さから見ている。Tさんは、まず、焦りのない心の状態を作り、今までとは違った視点から捉えることで思考の柔軟性を取り戻すことが、今の自分には必要であると思った。
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⑤「13」Rの注目カードは、「審判」R。Tさんは、カードを見て、これまで心の中は、「13」Rのように否定的な思いが散らばり、覆われていたので、天からの声が聞くことができなかったことに気づいた。
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⑥「審判」Rの対策カードは「力」である。課題だらけだが、「力」を見て、Tさんは勇気づけられた。恐ろしいライオンをいとも簡単に手なずける少女は、「大変さを嘆くのではなく、今の自分にできることをしていくこと、目の前にある課題に一つ一つ取り組んでいけば、あなたもきっと私のようなことができようになるわよ」と、励ましてくれるようであった。
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⑦「力」の注目カード兼「13」Rの対策カード「星」からは、注ぎ続けることの大切さを感じ取った。心の中に巣くう否定的な思いにつぶされないで、自分が身につけてきた知識やこれまでの経験、情熱を注ぎ続ければ、きっと道は開けると思えた。
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経緯 |
現状 |
展望 |
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⑧「運命の輪」Rの対策カードは、救済の天使「節制」が出た。Tさんは来月から始まる地元の市主催の創業セミナーに申し込んでいたことを思い出した。そして、二つの壺を行き来する水が一滴もこぼれていない様子を見て、セミナーに参加したら、担当の講師に、自分の事業にかける思いや計画を、余すことなく伝えようと思った。その人が、「運命の輪」の上にいる人物、自分に必要な助言をくれる人かもしれない。
アドバイスカードは「皇帝」。現実をしっかり見て、必要なことを着々と実行していく人である。これまでのようにくよくよ考えて理想ばかりを追うのではなく、やれることから一歩踏み出して、まず行動に移すことが大事なのだと思った。タロットを展開して本当によかった。
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