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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第340回 同居する父との関係を改善したいが、どうしたらいいか。

Yさんは働きながら、実家で、車椅子の生活をする母と父と3人で暮らしている。普段、母の介助をしているのは父であるが、Yさんも、できるだけ父と協力して母の手助けをするように心がけてきた。そんなYさんの悩みの種は、父とのコミュニケーションがうまくいっていないことである。言葉は交わすが、気持ちが伝わらないので、Yさんはイライラすることが多い。そのせいか、父が孫たち(Yさんの弟の子どもたち)のために、何かとお金を使うことにも、「孫たちにあんなにお金を使うなんて、甘やかしすぎで良くないわ」と、Yさんは批判的である。こうした思いが妄想を生み、「使いすぎて、私に残してくれるお金がなくなってしまったらどうするの?私のことは大切でないのかしら?」と、不安になることがあるという。こんな状態ははやく脱したい。Yさんは、父との関係改善のため、どうしたらいいか、タロットに相談することにした。

H・Yさん 40代 東京

A

(1)

現状
①現状は「仕事師」が正立で出た。Yさんは、ちらりとよそ見をしながら、忙しそうに手を動かす若者を見て、まさに、今の自分であると思った。Yさんの一番の関心は、目の前にある仕事や母の世話より、父とのコミュニケーションがうまくいかないことに向けられている。カードは正立なので、Yさんは今のうちに何とか改善しようと、積極的に考えているようだ。「自分は目一杯頑張っているから、父との噛み合わない会話にイラつく、・・・心の中が穏やかでないから、父を見る目が一段と険しくなってしまう、・・・、何をどう工夫すればうまくいくのだろう」と、心の中を整理しているのかもしれない。

(2)
経緯 現状
②経緯は「隠者」で、Yさんは、この年配の男性は父であることがすぐ分かった。「隠者」も正立なので、父は、Yさんが思っていたような行き過ぎた振る舞いをしているのではなさそうである。Yさんは、普段、身近な父に対して、非常に丁寧な言葉遣いをしているとのことだが、その丁寧さが、父親との会話をよそよそしいものに感じさせてしまっているのかもしれない。

(3)
経緯 現状 展望
   
③展望は「正義」である。Yさんは、真正面を向く女性と目が合って、ハッとすることがあった。その目は、「心を落ち着けましょう。心が苛立つと、何を見ても偏った見方しかできなくなってしまいます。自分の心を見つめ、冷静になれば、妄想は消え、事態を正確にみることができるようになりますよ」と、語っているように見えたのである。

(4)
(4) 経緯 現状 展望
   
④「隠者」の注目カードは「太陽」。カードに描かれる2人は、もちろん父にとっての2人の子どもたち、Yさんと弟である。Yさんは、心穏やかでない時に、孫たちをかわいがり、何かと買い与える父を見て、弟や弟の家族の方が大切なのだろうかと僻むこともあった。しばしば勝手な被害妄想をして、自分を苦しめてしまったが、カードは、2人とも大切でかけがえのない存在であることを、雄弁に物語っている。Yさんの心も晴れた。

アドバイスカードは「月」である。父に対して、あまりにも丁寧な言葉遣いをしてきたせいか、Yさんは、自分から心情をストレートに表現することはほとんどなかった。だから、父も娘であるYさんにどう応えるのがいいか、とまどったのかもしれない。2匹の動物が向き合っている様子を見て、懐に飛び込むような会話を心がければ、父との関係はぐっとよくなるように思えた。

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