最新のケーススタディ 2014年4月10日号 掲載
Q. Yさんは、彼と遠距離恋愛をしている。二人の気持ちは強く結びついているが、頻繁に会うことはままならない。だから、お互いの仕事の合間を縫うようにして、交通費をひねりだしてデートを重ねてきた。この宙ぶらりんな状況に、早く結婚という形で決着をつけたいと願うYさん。昨年末、長らく勤めた仕事を辞めたのを機に、思い切って彼にその思いをぶつけてみた。彼の返事は、「もう少し待ってほしい」だった。次の一歩をためらう彼に、内心焦るYさん。どうしたらいいだろうか。
K・Yさん 40代 神奈川
A.
(1)
現状 |
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「運命の輪」Rは、まさにYさんの現状である。順風満帆でない人生。めざす結婚の方へ舵取りしたいのに、今はその時でないのか、タイミングが悪いのか、うまく行かない。「運命の輪」に登場する三者を見て、Yさんはピンと来た。彼は一度離婚しており、別れた妻と暮らす二人の息子のことを気にしているのである。一方が他方を追いかけるようにして、一つの輪を回る二匹の動物は、彼と息子さんたちだとわかる。Yさんはこの問題に割って入ることは出来ない。今のところ、輪の上に立つ動物のように、一歩離れたところから静観するしかない。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯の「世界」Rの中央の人物はYさんである。結婚という形でゴールインを願いながら、「待ってほしい」という彼の言葉で宙に浮いてしまった経緯を物語っている。Yさんも足下が決まらず焦っているが、彼とのつきあいを知るYさんの両親も、はらはらしながらYさんを見守っている。すぐに「結婚しよう」と言えない彼も、Yさんの願いを叶えてあげられないことを申し訳ないと思っているに違いない。
(3)
展望は「仕事師」。彼は「運命の輪」Rをちらりと見ながら、忙しく手を動かしている。テーブルには四大元素が並ぶので、彼はYさんとの結婚に向けて必要な条件を整えるべく、動き始めるだろう。Yさんとしては早く一気に整えてほしいと思うかもしれない。しかし、カードは着手し始めたばかりの若者で描かれているので、Yさんはすぐに完全を願わないことである。
(4)
「運命の輪」の対策カードは、「戦車」となった。自信たっぷりに我が道を突き進む御者は彼である。いろいろな問題を抱える彼が、行き先と道筋を知っている御者のようになれたら、彼はためらうことなく、自らの意志でYさんとの新生活の次の一歩を踏み出せるに違いない。彼がそうなれるようにうまく導くところに、Yさんの腕がかかっている。
(5)
「戦車」の注目カードは「13」で、「世界」Rの対策カードでもある。「戦車」と向き合っていることから、「13」はYさんをあらわすと見るのが自然である。Yさんは、この問題解決に向けて、古い意識、自分なりの考え方、世間一般的なやり方ではなく、全く違う発想に立って取り組むとよい。「13」は肉体をギリギリまで絞り、身を削ぎ落とした姿なので、Yさんは自分の願望や言い分を見直し、彼との関係で一番大切にしていることは何なのか、何を一番望んでいるのかはっきりさせることも、ヒントになるだろう。
アドバイスカードは「運命の輪」。すべての条件が整うのに、今しばらく、時間が必要なようだ。同時に、この輪は海に浮かんでいるので、流れに注意するとよい。流れは一様ではないので、よい流れになったら、その流れに乗るタイミングをつかむことが肝要である。相手の過去を変えることはできないが、展開したカードはYさんに、「あなたの心の中の変容こそが解決の鍵」と教えてくれた。Yさんは、改めてここからもう一度出発してみようと思った。 前のケーススタディへ