本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第213回 高校時代の親友から再開したいという電話があった。

最新のケーススタディ 2014年6月25日号 掲載

Q. Sさんは、24歳の時に故郷を離れ、現在、東京で暮らしている。Sさんのもとに、高校時代の大親友Kさんから、一枚の絵葉書が届いた。昔の名簿を見つけ、思い立って葉書を書いたとのこと。Sさんの実家の旧住所宛てに出された葉書であったが、郵便局と実家の親のおかげで、Sさんは手にすることができた。最後に会ったのは、たしか20代後半。お互いに将来の夢と理想を語り合う仲だった。Sさんはすぐ連絡を取り、近々会う約束をした。30年ぶりの電話では、昔の親友のままであった。Kさんはご主人の仕事の関係で筑波に住み、定期的に東京に来ているという。Sさんは再会をできるだけ実りあるものにしたいと思っている。そこで、タロットにアドバイスを求めることにした。                                                                                                                                                                                                                                                                                                        T・Sさん 50代 東京

A. (1)

 現状
 

ランプを掲げて人を探している「隠者」は、親友のKさんである。Kさんは、折に触れてSさんと昔、語り合ったことを思い出し、長らく再会を待ち望んでいたという。「隠者」はマントの下に書物を持っているが、これは、Kさんが偶然見つけた昔の名簿に違いない。Kさんの葉書の最後には、「届きますように」とあったが、カードは正立なので、この名簿を活かそうと思ったKさんの判断は正解であったことが分かる。実際、かすかな希望を托して出した葉書は、確かにSさんに届いた。

(2)
 経緯 現状
   
「正義」と「隠者」はカップルカードである。「隠者」がKさんなら、「正義」Rは自分のことだとSさんは思った。Kさんは、実家が幼稚園を経営していた影響もあり、児童文学の道に進んだ。Kさんはおっとりした性格で、何事もじっくりゆったり取り組む。Sさんは対照的に一途な性格。教育の道に進み、ひたすら走り続けてきた。Sさんは、今では頑張ってきてよかったと思っているが、振り返れば、カードが示すように、ずいぶん厳しい状況を綱渡りするようにくぐり抜けてきた。時々、頑張りすぎて、体調を崩したこともある。その意味でも、まさしく自分のことだと納得する。

(3)
経緯 現状 展望
   
展望の「節制」は、高い所から見下ろし、一滴もこぼすことなく二つの壺をうまく操っている。これは、KさんとSさんの交流が、昔のようにしっくり行われることを示唆している。価値観や生き方を話し合い、時に励まし合い、啓発し合う間柄だった二人は、再会することで、30年間のお互いの経験や学びを分かち合い、若かった頃以上に心を通わせ、助け合う関係になるだろう。

(4)
経緯 現状 展望
   
 
 (4)
「正義」Rの対策カードは「力」。誠実に自分の人生や仕事に向き合うことは、本来、美徳であるが、これまでのSさんは、しばしば目前のことに一生懸命になるあまり、周囲を見る余裕が持てなかった。そんなSさんに、タロットは「力」のようになることが大切とメッセージを送る。にっこり微笑みながら易々とライオンを手なずける少女。未来をしっかり見据えた上で、状況を意のままに操っている。これからの人生は、肩の力を抜いて心に余裕を持つことだ。その方がずっと潜在力を発揮できるし、楽しく過ごせる。がむしゃらな力の勝負ではなく、智慧を使ってしなやかに生きるのが幸せの秘訣と、カードが語る。

(5)
経緯 現状 展望
   
   
  (4) (5)
「力」の注目カードは、「斎宮」である。これは大親友Kさんが送ってくれた葉書を手に取るSさんである。両手で葉書を持って何度も読み返す姿から、Sさんが大切なものを受け取ったと思っていることがわかる。だから、今回の再会を、一回性のもので終わらせず、精神生活を理解し合える友との交流の再開のつもりでKさんと会うとよい。

アドバイスカードは「隠者」。老年期に入った人をあらわしている。以前、Sさんは、年上の同僚から「60歳くらいになると、皆、同窓会をしたくなるのよ。」と聞かされたことがある。そうかもしれない。実際、その同僚は、しょっちゅう同窓会に参加し、Sさんにもその時のことを楽しそうに話してくれた。やがて迎える老年期に向けて、青春時代を共有した友との親交は、大きな喜びをもたらしてくれる。奇蹟的に届いた一枚の葉書の奥に秘められたメッセージを最大限汲み取るつもりで、Kさんに会いに行こうと思った。

前のケーススタディへ

バックナンバー

(第201回~最新号)
(第82回~第200回)