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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第216回 年上の夫と世代ギャップを痛感する。

最新のケーススタディ 2014年8月10日号 掲載

Q. Aさん夫婦は年がずいぶん離れているので、これまで、年の差のギャップから来る考え方の違いもあったが、年齢差のおかげか、あまり問題にならなかった。しかし、夫が70歳になったころから、Aさんは少しずつ以前との違いを感じるようになった。普段、夫は年齢のことをあまり言わないし、Aさんも話題にすることはないが、あれ?と思うことが多くなってきたのである。昔の感覚でいると、勝手が違ってカチンとくることもある。現役から半分引退した夫と、バリバリ家事と仕事をこなさなければならないAさんとでは、時間感覚のずれが生じがちで、Aさんは折り合いの付け方に腐心している。できれば、イライラして消耗することは避けたいと思っている。年を取ったなりのいい関係を築いていくための秘訣をつかみたい。                                                                                                                                                                                                                                    F・Aさん 50代 東京

A. (1)

 現状
 
現状カード「恋人」は、どんなことでも率直に話し合うことの大切さを示唆している。性格、世代が違うから意思疎通は難しいなどと決めつけずに、話し合おうとする気持ちを持つこと。以前は、年の差を考えて遠慮することもあったが、それでは二人の関係がうまく行かないと思い至り、Aさんは、近年、努めて会話を心掛けている。いいことばかりでなく耳が痛いことも話題にする。とにかく、すれ違いを作らないために。カードは正立なので、Aさんの取り組み姿勢は間違っていないことがわかる。Aさんも納得のカード展開であるが、気づいたこともあった。イライラすると、どうしても言い方がきつくなり、その結果、感情的な言い合いを引き出してしまう。この点は改善したほうがいいと思った。 (2)    
経緯 現状
   
  「皇帝」Rは、Aさんの夫である。逆向きで出たカードを見て、Aさんは、昔と同じ感覚で考え、同じ役割を求め続けてはいけないと思った。若いときの年齢差はプラスに働いていたかもしれないが、年を取ってからは違う。Aさんは、自分よりずっと年上であることを理解することが大切だと、自分に言い聞かせるが、実際にカチンとくることがあれば、年齢差に対する配慮より、パートナーとしてのあり方を優先してしまう。夫からすれば、Aさんに対して、どんな時でも絶対に自分をサポートしてくれるという過剰な期待があり、当てにしているのかもしれない。

(3)
経緯 現状 展望
   
展望は「運命の輪」が正立で出た。輪を回る二匹の動物は、運命共同体である二人をあらわしている。上の方を見る右側の動物が夫、下の方を見る左側の動物がAさんである。人生の晩年にいる夫の関心は、もはや地上であくせく働くことではない。もっと内面、魂の世界に向かっているのだろう。一方、現役のAさんは、まだ地上での責務がある。日々の生活はAさんの働きによるところが大きい。そんなAさんも老齢期になると、やがて夫と同じような立場・心境に入る。夫との関係をパートナーの観点から見るだけでなく、もっと大きな時間枠の中で二人の関係を捉えるようにすると、うまく行くのではないか。つまり、Aさんと夫は、縁あって出会い、運命を共有する中で、それぞれの人生を生きていることを自覚することで、船旅のようなゆったりした過ごし方がしやすくなるのではないだろうか。

(4)
経緯 現状 展望
 
 (4)
「皇帝」Rの対策カードは「女帝」。Aさんが解決のカギを握っているようだ。「女帝」は目の色が違う。現実を見る肉眼ではないことから、タロットは、Aさんに、目の前の現象をそのまま見るのではなく、その奥を見通す聡明さを持ちなさいと助言する。そして、夫のことで、あれ?と思うことがあっても、不安になったり慌てたりせず、「女帝」のようにどっしり構えて臨むことを勧める。

(5)
経緯 現状 展望
  (4)  (5)
「女帝」の注目カードは「宙吊り」で、ゆったりとした表情が印象的である。いつでもゆったりした心を持てれば、カリカリすることも少なくできる。Aさんが、カードから思った具体的な対策は、まず休養をしっかりとって、疲れをためないこと、もう一つ、最近、後回しになりがちな瞑想の時間を、もっと積極的に生活に組み込むことである。忙しいからと言って睡眠時間を削りすぎると、うまく行かないことはよくわかる。瞑想しないと、いつの間にか、心が散漫になってしまうことも実感している。物事の本質をつかむ聡明さを持つことも難しくなるだろう。Aさんは、まず、この二点を実行するところから始めることにした。

 アドバイスカードは「審判」である。もう一度、よき関係を復活できそうである。若いときには、お互いがエネルギッシュなので、幸せな関係を築きやすい。年を取り肉体や感覚器官が衰えて来た時に、お互いの存在を喜び合えたら、もっと幸せになれるだろう。Aさんは、長年連れ添う相手といえども、年齢にあわせた工夫が必要だと痛感した。

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