最新のケーススタディ 2014年10月25日号 掲載
Q. Kさんのご主人は、最近体調がよくない。健康診断で引っ掛かり、体重を減らすように言われているそうだ。若い頃に比べて10キロ増え、Kさんもご主人の丸くなった体をそばで見ていて、これではいけないと感じるようになった。ご主人は1か月に三分の一ほど夜勤があるので、生活のリズムを保ちづらく、食事の時間もバラバラになりがちである。家事はKさんが行うが、Kさんも仕事をしているので、Kさんの帰りが遅いと、食事の時間はさらに遅くなり、Kさんの仕事が朝早いと、買ったものを置いておく。優しいご主人は、これまでずっとKさんが食卓に準備したものを、Kさんの言うままに食してきた。体重の増えすぎは、その結果であることを痛感するKさんは、ご主人を不健康させては申し訳ないと思っている。何をどう改善するといいか、タロットに相談することにした。
I・Kさん 50代 茨城
A. (1)
現状 |
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「皇帝」RはKさんのご主人である。本来の「皇帝」はフットワークが軽く、実践力がある。体を動かすことに何の苦もない。その証拠に「皇帝」はいつでもすぐ立ち上がって、行動できる体勢でいる。しかし、カードは逆向きであることから、ご主人は、本来の「皇帝」のようにいかないことがわかる。年齢的に夜勤もきついが、体が重くなったせいで、余計に疲れを感じやすくなった。日々の生活も仕事もしんどそうだ。タロットも、Kさんが心配する通り、この状態をしっかり課題として捉えたほうがいいと指摘する。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯の「悪魔」Rを見て、Kさんは思い当たることがたくさんあった。下につながれた小悪魔が手を後ろに引っ込めて、悪魔を見上げる姿は、「今日は疲れたから、食事つくりは少し省略してもいいよね? 明日は早く出るから、パンでも置いておけばいいかな?」と、何かにつけ自分に都合よく言い訳してきた自分と重なって見えたのである。自分の心の中にいる悪魔に語りかけてきたのだ。自分の心の中の悪魔だから、自分のわがままや言い分を何でも認めてくれる。料理を含めて家事が疎かになっていることはうすうす感じてはいたが、改めて「悪魔」Rが出たことで、Kさんは、これまで自分が心の中の甘いささやきに乗って、いい加減にしてきたことに気づいた。逆向きなので、やはりこのままではいけない。
(3)
展望の「世界」の中央には、軽やかに片足で立ちポーズをとる人物がいる。Kさんの目に留まったこの人物は、ご主人である。片足でも軽々と立てるほどの体重になれば、仕事も日々の生活も楽になる。体調も良くなり、健康診断も良い結果が出るだろう。「疲れた、しんどい、つらい。」といった重苦しさが和らぎ、はつらつと身も心も若々しくなれるだろう。
(4)
「皇帝」Rの対策カードは「隠者」が出た。Kさんが最初に気づいたのは、隠者のマントの裾から見える書物である。Kさんは仕事場を自宅とは別のところに持ち、仕事も勉強もそこで済ませるようにしてきたという。本を読み始めて没頭すると、時間はあっという間に過ぎ、ついつい帰宅の時間が遅くなる。慌てて、途中で惣菜を買って帰る日がなんと多かったことか。Kさんは、「隠者」のように本を持ち帰って、家で食事を作り、その後で読めばいいんだと思った。幸い、ご主人はKさんの仕事に理解があるので、Kさんが勉強していることを話すと喜んで聞いてくれる。これまでの仕事と勉強の仕方を工夫すれば、家に早く帰ることができる。夕食はずっと健康的になり、ご主人の体重管理にも効果的である。食後に共有できる時間も増え、二人ともゆったりと過ごせる。
(5)
「悪魔」Rの対策カード兼「隠者」の注目カードは「宙吊り」である。Kさんは、手を後ろにやってじっと不動の姿勢を保つ「宙吊り」で思うところがあった。お手軽に出来合いのものを買って済ませる安易な食事は、もうやめよう。こんなにも自分を理解し応援してくれている大切な相手なのだから、自分からも家庭生活の中で大切にしていくべきではないだろうか。ちゃんと食事を作ったり、家事をしたりすることもその中に含まれるに違いない。Kさんは今までは外での仕事や勉強にばかり目を向けてきたが、これを機に家庭生活を見直してみるとよいだろう。
アドバイスカードは「月」となる。ここでも新鮮な食材を家で調理し、夜、向き合って話をしながら食事する二人の姿がある。ここを改善することから始めようと思った。
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