イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

最新のケーススタディ　2015年1月10日号　掲載

Q.　年末に晦日まで仕事があったＹさんは、正月の帰省を諦め、東京でゆっくりと過ごしていた。正月休みも終わりになる頃、普段めったに連絡をしてこない弟が、Ｙさんに電話をしてきた。弟は、正月に中学卒業時の同窓会に参加してきたと言う。その会で、実に40年ぶりに再会した担任のT先生から、「お姉さんはどうしている？」と聞かれたとのこと。T先生はYさんの弟のクラスを持ち上がりで担当した恩師であるが、同時に、Yさんにとっても、授業やクラブ活動で指導を受けた、中学時代の大切な先生である。中学卒業後も、何かと先生のアドバイスを求めることが多かった。しかし、大人になり、仕事も環境も目まぐるしく変化するうちに、いつの間にか連絡も絶えてしまった。弟の同窓会をきっかけに、Ｙさんは、Ｔ先生がずっと気にかけてきてくださっていたことを知り、感謝と申し訳ない思いがこみ上げてきた。Ｙさんは、何らかの形で挨拶すべきだと思うが、先生との最後の交流から30年は経っているので、どうするのが一番よいか、タロットで見ることにした。

S・Yさん　50代　東京

A. (1)

現状

元気いっぱいの子供たちが、手を取り合って喜んでいる。弟が参加した同窓会の光景だろうか。同窓会では、皆が昔の自分に戻れる。大人の世界のように、本音と建前の区別もいらない、体裁を気にして取り繕う必要がない。「太陽」の子供たちのように、裸になって語り合える。裸の自分たちになってクラスメートたちとの再会を喜ぶ場で、Ｔ先生がＹさんのことを尋ねられたのだから、Ｙさんを如何に気にかけておられたかがわかる。Ｙさんの弟も、そう思ったに違いない。だから、すぐＹさんに連絡してきたのだろう。「太陽」の二人は、Ｙさんと弟ともいえる。Ｙさんは、こうした内容を弟がわざわざ電話してくれたことが意外でもあり、嬉しくもあったからである。いつもぶっきらぼうな弟が、こんな気配りをするようになったなんて・・・。

（２）

経緯	現状

経緯には、手紙を手にする「斎宮」が逆向きで出た。Ｙさんは、カードを見て、痛い所をちくりと刺された思いがした。自分の手掛けたことをやるのに精一杯で、いつの間にか筆不精になり、Ｔ先生への挨拶を疎かにしてきたことを、カードは問題ありと指摘したからである。

(3)

経緯	現状	展望

展望は「力」である。やすやすと猛獣を手なずける少女の姿は頼もしく、力強い。この少女はＹさんである。Ｙさんは長らく天職を求めて奮闘し、おかげで、今は自分の願った人生を生き、「力」の少女のように自信を持って、未来に立ち向かっているからである。教育の仕事に天職を見出したＹさんであるが、この人生の選択は、やはり尊敬するＴ先生の存在が大きかったと思う。長年の無礼をお詫びしながらも、先生には、先生との縁で人生が開花し、先生から受けた指導が今の仕事に結実していることを伝えるのが一番だと、Yさんは確信した。

(4)

経緯	現状	展望
(4)

「斎宮」Ｒの対策カードは「悪魔」で、これはまさしくＴ先生と教え子である。カードはＹさんに、これを機に筆不精を解消して、先生との関係を保つようにしていくことを勧めている。弟のようにクラスの同窓会で目にかかることはないが、季節の挨拶や帰省時に少し足を延ばしてご自宅に伺うことはできる。先生のご自宅は、Ｔさんの実家からそんなに遠くない。学校時代は、先生を慕って、何度もご自宅にお邪魔したことがあるのだから、その気になればできることだ。

(5)

経緯	現状	展望	展望
(4)			(5)

「力」の注目カード「運命の輪」は、海に浮かぶ大きないかだのように見える。一つのいかだに乗っている三者は、時代、学校、先生、友人、家庭などを縁として、人生を紡ぐ私たちの姿である。Ｙさんは、カードから縁の大切さを感じ取った。動物が輪を駆け巡る姿から、Ｙさんは、近いうちにＴ先生に一度連絡を入れ、都合の良いときに、会いに行くのがいいと思った。多忙なＹさんは、友人と会う時も駆け足になることが多いが、ご縁を大切にするなら、時間に余裕を持って計画しなければならないと肝に銘じた。

アドバイスカードも「運命の輪」である。改めて、縁が作り出す人間関係の重要性が、Ｙさんの心に響く。頭では分かっているつもりでも、目まぐるしく生きていると、目の前のことに気を取られて、大切なものを見失いそうになってしまう。Ｙさんは、T先生に連絡を取ることをきっかけに、「縁」を見直してみようと思った。

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