Q. Tさんは、長年、自宅で子供たちや大人に英語を教えてきたが、一年ほど前から、請われて、外でも教えるようになった。きっかけは、幼児教育に携わってきた女性が、英語を教えるスタッフとして運営する教室に加わってくれるよう、Tさんに熱心に声をかけたことによる。Tさんはずっと断っていたのだが、Tさんの母親がその女性と親しいこともあって、半ば母親の顔を立てる形で、引き受けたのだった。しかし、やり始めて一年がたち、Tさんはやりにくさを感じている。Tさんは英語教育のプロ、オーナー女性は幼児教育のプロであっても、英語教育については経験がない。そのせいか、Tさんは、オーナーとのやり取りに戸惑うことがしばしばある。これから、どんなスタンスで関わっていくといいのだろうか、タロットに聞くことにした。
M・Tさん 40代 三重
A. (1)
現状 |
現状の「戦車」を見るなり、Tさんはオーナーが御者で、自分は雇われている馬の立場なのだと思った。オーナーへの個人的な気持ちは別にして、まずは、雇用・被雇用の関係をわきまえて仕事をしていくことである。自宅で行っている仕事は、自分が主催者でやっているのだから、自分のやり方を貫けばいい。しかし、外での仕事は、自分に与えられた権限の中でやる必要がある。立場やキャリアが違えば、教育観や運営方針も異なって当たり前。それに、Tさんは、共同経営者として迎えられたのではない。自分に求められているのは、スタッフとして、如何に働くかなのである。正立カードを見て、Tさんは心が吹っ切れ、自分の立ち位置を確認することができた。
(2)経緯 | 現状 |
経緯の「悪魔」Rからは、強引ともいえる熱心なオーナーからの誘いに抗しきれず、やむなく仕事を引き受けることにしたTさんの不本意が読み取れる。母親の知り合いであることも、断り切れなかった理由の一つである。しかし、いったん引き受けた以上は、プロの仕事をしたいと思った。しかし、頑張ろうとするほどに、英語教育の経験がないオーナーとの共同作業は難しいと感じる。英語教育のプロを自負するTさんは、オーナーとのやり取りに戸惑いを感じながら、本来の自分の力を十分発揮できないでいる。
(3)経緯 | 現状 | 展望 |
展望は「恋人」Rである。カードの中の三人は話し合っているが、まとまらない様子。この三人は、Tさんを含むスタッフ三人である。上空から、天使が気まぐれに弓を射る様子は、まさにオーナーが、気の向くまま、自分のペースでスタッフに働きかける場面に見える。カードは逆向きに出ているので、オーナーの方針を図りかねて、スタッフ同士の会議も難航しそうである。まとめ役のTさんも、それぞれの言い分に振り回されて苦労しそうである。
(4)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) | ||
「悪魔」Rの対策カードは「女帝」が出た。「女帝」は、Tさんに、もっと自分に自信を持ちなさいと激励する。「女帝」は、オーナーの言動をいちいち気にして、自分を萎縮させてはいけない、英語教育一筋でやってきた経験から湧き出るひらめきを大切にしなさいと言わんばかりである。
(5)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) | (5) | |
「女帝」の注目カードは「星」である。ひざまずいて、二つの壷からあふれる水を注ぐ姿は、Tさんの献身の姿そのものである。「女帝」と「星」をあわせて見ると、もっと自信を持って自分のやり方を子供たちに施すことが、Tさんの進むべき道であることがわかる。
(5)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) | (5) | (6) |
「恋人」Rの対策カードは「太陽」。Tさんが教える子供たちである。Tさんはこれら二枚のカードを見て、オーナーやスタッフといった大人の言い分に振り回されて、子供たちを忘れてはいけないと思った。一番の当事者は子供たちなのだ。どんな時も、子供たちにとってのベストを考え、行動すれば、おのずと大人側の問題は解消するに違いない。教育の主人公は子供たち。迷ったら、いつもここに立ち返ればいい。「女帝」の注目カードは「星」である。ひざまずいて、二つの壷からあふれる水を注ぐ姿は、Tさんの献身の姿そのものである。「女帝」と「星」をあわせて見ると、もっと自信を持って自分のやり方を子供たちに施すことが、Tさんの進むべき道であることがわかる。
アドバイスカードは、展望でも出た「恋人」である。Tさんは、日頃、相手の言い分を聞きすぎて、自分を追いつめてしまう傾向があることを自覚している。「恋人」の中央の人物のように自分の考えをしっかり持ち、その上で意思疎通を図る姿勢を持つところに、チームワークの秘訣があると思った。自分の成長のためにも、頑張ってみようと思った。