Q. Fさんは、長らく師匠のアロマサロンで、仕事をさせてもらってきた。これまで大した苦労をせずに済んだのは、自分がアロマの仕事が大好きだったこともあるが、師匠の絶大な庇護があったおかげだと、Fさんは痛感している。最近になって、師匠がFさんに、そろそろ自分のサロンを持ってはどうかと声をかけてくださった。Fさんはありがたく思いながら、サロン経営の責任者になることの重さを考えた時、はたして自分に務まるのかと不安に感じている。Fさんは、これまで、同じ業界で働く人たちの色々なケースを見てきた。独立して成功した人たちもいるが、現場の施術者として優秀であったのに、経営者になった途端、うまくいかなくなった人たちもたくさん知っている。師匠のもとで学んだ弟子たちのその後も様々な中、Fさんはどう決意するといいのか。タロットの助言を求めた。
S・Fさん 40代 埼玉
A. (1)
現状 |
現状は、「審判」が正立で出た。カードを開けて、Fさんの目に入ってきたのは、天使が吹くラッパであった。天使が何か大切なことを知らせているように見える。Fさんには、師匠が声をかけてくださったことだと、すぐわかった。下には3人の人物がいるが、ラッパの音を聞いて、気になって中から現われた空色の人物が自分であると思った。師匠の声に即応せず、隠れたところでぐずぐずしていたFさんに、天使は、これまでの見習い修行を卒業して、師匠の期待に応える段階が来ていることを、告げているようだ。カードは正立なので、師匠の言葉に背を向け自分の世界に閉じこもるのではなく、よき知らせと受け止め、期待に応えるべく独り立ちしなさいと、Fさんにハッパをかける。迷っていたFさんも、絵柄を見て、師匠の期待に応える行動をした方がいいのだと思えた。
(2)経緯 | 現状 |
経緯の「運命の輪」Rには、これまでのFさんの心がよくあらわれている。師匠から声をかけてもらっても、それをチャンスと思えなかった自分、また、サロン経営は無理ではないかと思っていた自分を映し出しているようだ。これまで、サロン経営を始めても、荒波で転覆した船のようになってしまったケースを周りで見てきて、「施術の腕があっても、経営は甘くない。自分は逆風の時にも強い気持ちで踏みとどまって、船長として頑張れるだろうか。」と自問するうちに、Fさんは踏ん切りがつかなくなってしまったのである。うまくいかなかったケースにばかり気を取られると、新しい航海に出ようと思い切れなくなる。カードは逆向きなので、そんな心のあり方が問題を作り出しているのだと、教えてくれる。
(3)経緯 | 現状 | 展望 |
展望は「月」である。Fさんは、2つの建物と2匹の犬に着目した。2つの建物は、師匠のサロンとFさんが持つことになるサロン。向き合う2匹の犬は、師匠とFさん、空色の犬が師匠、肌色の犬がFさんである。Fさんは、自分のサロンを持っても、いつまでも変わらない師弟関係を続けたいと願っている。師匠と同じビジョンを持ち、師匠から受け継いだ精神で仕事をしていくのが、Fさんの夢である。そのためにも、師匠の思いを共有できる自分でいることだ。
(4)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) |
「運命の輪」Rの対策カードは「神の家」で、この建物は、レンガが一つ一つ丁寧に積み上げられてできたものである。Fさんも師匠から学んだことを、仕事の中で地道に積み上げていくとよい。建物から出ていこうとする人がFさんである。師匠が喜んで送り出してくれるのだから、師匠のサロンで培ったものに自信を持つことだ。建物の前で逆立ちをしている人も、Fさんであろう。これまでは一施術者だったが、自分のサロンを持ったら、立ち位置が全く違うのだから、視点も変えなくてはならない。この点も、師匠という大きな拠り所があるのだから、安心して挑戦してみたらよい。
アドバイスカードは、「皇帝」で、まさに経営者である。やはり、師匠が後押ししてくださったように、Fさんは独り立ちする段階に来ていたのだ。ぴったりのカードが出て、Fさんはタロットから大いに勇気をもらった。お世話になった師匠への恩返しは、自分のサロンで師匠からの学びを実践していくこと。サロンを維持できるようになったら、一人前になったといえるだろう。先々のことを心配しすぎて、自分でチャンスを閉ざすことが、一番愚かである。独り立ちに挑戦してみようと、心が決まった。