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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第241回 上司との関係が悪化。もう仕事を辞めたい

最新のケーススタディ 2015年8月25日号 掲載

Q. Tさんは、音楽関連の仕事をしているが、その一つは、楽譜製作のアルバイトである。勤務先で必要な技術を持っているのはTさんだけなので、アルバイトながら仕事量は多く、責任も大きい。この会社でアルバイトを始めて8年。必死に仕事をこなしてきたTさんだが、以前は良好だった上司Nさんとの関係がこじれるようになり、今では、ストレスで、爆発寸前の状態にいる。上司とうまくいかなくなったのは、上司が脳出血で倒れてからである。Tさんは、上司が療養中には、上司の分も頑張り、復帰してからは、手に軽い麻痺が残った上司を、一生懸命サポートするようにしてきた。Tさんは最大限の努力をしてきたが、上司との意思疎通はどんどん悪くなり、仕事に支障を来たすことも出始めた。自分に合った仕事なので、もう少し続けたいとは思うが、そのためには、たまる一方のストレスを何とかする必要がある。どうしたらいいだろうか。

H・Tさん 40代 東京

A. (1)

 現状
 

現状は「節制」Rが出た。Tさんは二つの壷が気になった。本来なら、お互いの気持ちが通じ、上司・部下としてのやり取りもしっかり行われているはずなのに、うまくいっていない現状を映し出している。上司から必要な情報が、Tさんに届かない。Tさんは自分だけ外されているように感じ、悲しんだ。やがて、上司に期待する気持ちがなくなり、失望の思いが心を占めるようになってしまった。今は、表面的な最低限の言葉でやり取りするだけの、殺伐とした関係しかない。憮然とした自分の態度は、同僚にも険悪な雰囲気を作り出していたはず。カードは逆向きなので、このままではいけないことがわかる。

(2)
 経緯 現状
   

経緯の「隠者」は、アルバイト先の会社の社長である。社長はTさんが会社に入ったことを喜んでくれた。Tさんはアルバイトの身でありながら、責任感があり、能力も高い。社長は、「隠者」がランプを掲げて何かをじっと見ているように、ずっと会社に多大な貢献をしているTさんの働きを見守っていたのだ。「良い人が来てくれてよかった。あなたのような人を探していたんだ。あなたの働きは見ているから、どうか頑張ってほしい。」カードからは、社長の温かい気持ちが伝わってくる。

(3)
経緯 現状 展望
   

展望は「愚者」Rである。実は、Tさんは、上司とのトラブルを減らすために、会社で仕事をする代わりに、SOHOで仕事をして、パソコンからデータを送る方法を、会社に打診するつもりでいた。通勤に2時間かかるのもきつい。逆向きの「愚者」は、「もう会社には行きたくない。上司の顔を見たくない。」と拒絶するTさんの姿である。心が拒絶しているから、上司の一挙一動にイライラする。「愚者」のように、服が破れていても気にしないほどのおおらかさを、上司に対して持つことなど、とうてい無理だと思う。カードは逆向きなので、Tさんのこうした姿勢にも問題がありそうである。

(4)
経緯 現状 展望
   
 
 (4)

「節制」Rの対策カードは「13」で、Tさんは、バラバラになった手が、上司の麻痺が残った手ではないかと思った。一見、回復したように見えても、本当のところは、本人にしかわからない。倒れる前は、有能なキャリアウーマンだった上司。周囲の評価も高かった分、自分の体すら思うように動かせなくなった辛さや無念さは半端ではないだろう。脳出血のために、できなくなってしまったこともあるに違いない。病で倒れた上司の立場から事態を眺めてみると、これまでとは全く違う上司の姿が浮かび上がる。元気だった時の上司と比べて、今の上司に不満を持つのではなく、体の不自由を抱えながら自分の責務を果たそうとしている点にもっと注目して接してみてはどうか。今までとは違う上司を発見できるのではないだろうか。

(5)

経緯 現状 展望
   
 
 (4) (5)

「13」の注目カード兼「愚者」Rの対策カードは「恋人」である。Tさんの職場の人たちだ。周りの人たちは、上司の状況や、Tさんが上司との間でトラブルを抱えていることを知っている。気にして、Tさんに声をかけてくれる人もいる。タロットは、Tさんに、そういう人の協力を得ることを勧める。そういえば、社内で食事に誘われたり、気遣った言葉をかけられたりすることが多くなったように思う。Tさんは、周囲の人たちは自分のことを心配してくれていたことに気づいた。Tさんは、カードから、一人で上司の問題を抱え込むのではなく、同僚との交流をもっと積極的にすれば、希望が見えてくるように思えた。

(6)
(6) 経緯 現状 展望
 
  (4)   (5)

「隠者」の注目カード「太陽」に描かれた二人の人物は、倒れる前の上司とTさんである。上司はTさんを歓迎して迎え入れ、Tさんも上司を素敵な女性だと思い、信頼してきた。経緯の2枚から、上司との人間関係は、かつては非常によかったことがわかる。

アドバイスカードは「仕事師」である。SOHOで仕事をする姿ではない。活発に手と口を動かしながら、周囲の人たちとやり取りしながら仕事をする人の姿である。幸い、職場には、復帰した上司やTさんの大変さを理解してくれる人たちがいるのだから、アルバイトのTさんは、社員の人たちと積極的にコミュニケーションをとりながらやっていくとよい。仕事だけに徹していた時より、ずっと楽しくなるに違いない。Tさんは、タロットのアドバイスを受け入れてみようと思った。ずっと心が軽くなった。

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