Q. Aさんはご主人と一緒に、小さな事務所を持ち、アロマを中心としたセミナーやセッションを行っている。ほとんどのことは二人で分担してきたが、忙しくなるにつれ、事務作業と経理の一部を知人の紹介者に頼むようになった。そのうちの一人は70代後半のTさんで、10年以上、月に1,2度、経理を依頼してきた。最初のうち、Tさんは折り目正しく、Aさん夫婦ともよい関係を築いていたが、そのうちご主人が留守をするようになると、Aさんが経営に疎いことを察知してか、Aさんのやり方に干渉するようになってきた。先日も、仕事の進め方を巡って、Tさんは自分の考えを主張し、激しい口調でAさんを責め立てた。最終的に、Aさんは何とかその場を収めたが、Aさんの心は穏やかではない。今後は同じ問題が起こらないようにしたいと思っているし、今回のようなことは二度と体験したくない。Aさんはどう対処するとよいだろうか。
R・Aさん 50代 東京
A.(1)
現状 |
(2)
経緯 | 現状 |
経緯は「正義」Rが出た。自分の正しさを過信して、剣を振り回すTさんである。Tさんは生真面目な性格のせいか、カーッとなると、言い分も言い方もきつくなる。Aさんも、また真面目さが災いして、投げつけられるひと言ひと言を正面からそのまま受け止めてしまうので、尖った剣で突き刺されたような痛みを感じてしまう。冷静な話ができると思っていた人の口から、思ってもみなかったひどい言葉を投げつけられたことも、Aさんにとってはショックだ。カードは逆向きなので、この問題を放置してはいけないことがわかる。
(3)経緯 | 現状 | 展望 |
展望は「運命の輪」で、絵柄から事務所の人間関係が円滑に回り始めることが読み取れる。輪の一段上にいて、全体に目配りしているのはAさん、あるいはAさん夫婦である。一段下の回る輪にいるのが嘱託社員やアルバイトである。事務所内でのそれぞれの役割を明確にすることで、仕事は進めやすくなるだろう。各自の役割と権限をはっきりさせれば、権限を越えた過干渉の問題も解消できるに違いない。
(4)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) |
「正義」Rの対策カード「愚者」は、Aさんに、たとえどんなにきつい言葉の剣を向けられても、気にしないおおらかさを持ちなさいと言う。深いダメージを受けたAさんには、すぐできそうにないが、それでも、のんびりと旅を楽しむ「愚者」の顔を見ているうちに、目の前のことではなく、自分の意識をもっと大きな世界を向けてみようという気になった。投げつけられた言葉にとらわれていると、言葉がモンスターのように大きくなり、自分に襲い掛かってくるかのように感じてしまう。自分の目指しているゴールから眺めれば、恐ろしいモンスターも小さく見えてくるものだ。
(5)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) | (5) |
「愚者」の注目カードは「月」である。「愚者」の犬に引き続き、「月」にも同じ色の犬がいることに、Aさんは着目した。Aさんには、この犬が自分に見える。下の方には、水面に浮上したばかりのザリガニがいて、ざわついた雰囲気が伝わってくる。しかし、犬は、ザリガニの方ではなく、上の方を見ている。Aさんは、これからは、Tさんの感情的な言い方に反応してしまうのではなく、話の論点そのものに、意識をもっと集中させようと思った。女性であるAさんにとって、簡単なことではないが、相手の感情に飲み込まれずに交渉する力は、今後の発展にはどうしても必要なので、頑張ってみるつもりだ。 アドバイスカードの「斎宮」は、書面を手にしている。書面に書いてあるのは、仕事上の役割分担、権限、取り決め事に違いない。実は、Aさんも文書化の必要性を考えていたので、カードのアドバイスに大いに納得した。Tさんとのやり取りでは、「あなたはこう言った・・・。そんなことは言ってません。・・・勘違いしています。・・・」といった口頭上のことが、問題の発端となっていた。必要事項を書面にすれば、不毛なやり取りが減り、仕事を進めやすくなるだろう。
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