Q. 93歳の祖母が心筋梗塞で緊急入院し、親族は落ち着かない日々を過ごしている。叔母によると、長年、再婚をめぐって祖父母と確執がある父は、祖母の見舞いに来ず、代わりに手紙と現金を送ってきたという。手紙には、「もしもの時も遠慮したい」とあったとのこと。父との連絡は、叔母がしているが、娘であるOさんはどうなるのか気になって仕方がない。相変わらず頑なな父に何か働きかけをするなどした方がいいのだろうか、Oさんは悩んでいる。そこで、タロットに助言を求めることにした。
M・Oさん 40代 東京
A.(1)
現状 |
現状の「恋人」Rの3人の人物は、真ん中が父、左側が叔母と右側が父の再婚相手(Oさんにとっての継母)に見える。叔母から祖母が倒れ、病院に運ばれたことを聞き、いったんは見舞いに行くと言いながら、最後に妻(再婚相手)に相談すると言って電話を切った父。父は、祖母から再婚をずっと非難されてきたので、見舞いに行く気持ちはあっても、再婚相手の心情を考えると見舞いに行くと言い出せないのかもしれない。「恋人」Rは、揺れ動く父の心の内をよくあらわしている。そして、少し離れたところで、3人の状況を窺っている天使がOさんである。娘として父に働きかけた方がいいのかどうか、Oさんも迷っているのである。
(2)
経緯 | 現状 |
経緯は「隠者」R、心筋梗塞で倒れてしまった祖母である。父の再婚に大反対してきた祖母は、ことあるごとに父に批判的であった。認知症になってしまった時は、いっそう激しく父に罵声を浴びせたそうである。しかし、「隠者」Rは「恋人」Rに向けてランタンを掲げてじっと見つめているように、祖母は父に並々ならぬ関心を向けていることがわかる。病に倒れた祖母の心には、怒りとは別に、親子でありながら気持ちが通じなくなってしまった悲しみや無念さもあるように感じられる。
(3)
経緯 | 現状 | 展望 |
展望は「教皇」が逆向きである。教皇は父、手前にいるのが2人の娘、OさんとOさんの姉である。カードは逆向きなので、父は祖母のことで、自分から娘たちに連絡してくることはなさそうである。しかし、「教皇」Rの視線は「恋人」Rに注がれていることから、父もまた、祖母のことを気にかけながら、長年の間にできてしまった心のしこりをどうにもできないのかもしれない。
(4)
経緯 | 現状 | 展望 |
(4) |
経緯 | 現状 | 展望 |
(5) | (4) |
経緯 | 現状 | 展望 |
(5) | (4) | (6) |
「教皇」Rの対策カードは「太陽」。少年2人には、この世のしがらみを乗り越えた明るさがある。右側の少年が、左側の少年をいたわり導いているように、精神的な学びをしてきたOさんは、右側の少年の役割を果たすつもりで、父に接するとよいだろう。こんな場面では、つい父の至らないところを責めて、こうすべきだと主張しがちであるが、心のしこりが解けるには、長年、祖父母から非難され続けてきた父の心の内を思いやることも大切である。
アドバイスカードは「審判」をみたOさんは、祖母のことで何かあったら、必要な情報は自分から父に伝えることにした。父も同じように行動してくれるかはわからないが、父の決断に任せればいい。家族が描かれたカードを見て、Oさんはこうした自分の働きかけが、バラバラになった家族の心を一つにしてくれると確信した。