Q. Iさんの娘は、今年32歳になるが、いつも仕事に追われていて、結婚する気配が少しもない。Iさんが本人に直接確かめてみると、本人は「結婚したくない。家長制度の悪い面を体現したような父親をずっと見てきて、結婚生活によいイメージが持てないから。」と言う。現在、Iさんも夫(娘から見れば父親)と別居中であるので、娘の言い分はよくわかる。しかし、一方では、娘には幸せな結婚をしてほしいと願う気持ちもある。Iさんは、結婚に否定的な娘にどう対応したらいいか、タロットに助言を求めた。
T・Iさん 50代 東京
A.
(1)現状 |
Iさんは、現状の「節制」Rを見て、すぐ娘のことだとわかった。Iさんの娘さんは高校教師をしており、非常に忙しい日々を送っている。土日も部活の指導があるため、ほとんど休みなしである。山ほどある仕事をやりくりするのが精一杯で、ゆったりしたひと時を持つことができない様子。結婚願望がないのは、父親のことだけでなく、仕事が忙しすぎてプライベートライフに意識が向けられないのかもしれないと、Iさんは思った。
(2)経緯 | 現状 |
経緯は「仕事師」Rで、これも仕事中心の多忙な娘さんの姿である。それだけでも大変なのに、「仕事師」Rの視線は目前のものより別のものに向けられている。このカードも、Iさんにはよくわかる。Iさんの娘さんは、本当は作家になりたいという夢がある。でも、実際に行動を起こすには至らず、日々の仕事に忙殺されているのである。
(3)経緯 | 現状 | 展望 |
展望は「運命の輪」が出た。今は、忙しくて仕事に追われているが、やがて自分なりのペースをつかみ、日常の業務を上手くこなしていくようになるに違いない。そうすれば、今後巡ってくるさまざまなチャンスにも目が行き、上手くつかむこともできるだろう。
(4)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) |
「節制」Rの対策カードは、「悪魔」である。Iさんが注目したのは、緩いロープと小悪魔の手を後ろに引っ込めた姿だった。Iさんは、娘さんが非常に真面目で、自分に厳しく完璧主義であることを知っている。自分の意見をはっきり持ち、自立しているのである。Iさんはカードを見て、しっかり者のわが娘には、あれこれ手を出すではなく、もっと信頼して少し距離を置いて見守ることだと思った。
(5)経緯 | 現状 | 展望 |
(5) | (4) |
「仕事師」Rの対策カード「宙吊り」も、手を後ろに引っ込め、静かに事態を見守っている。「悪魔」のカードと親縁する絵柄を見たIさんは、自分の取るべき姿勢が明確に見えてきた。
アドバイスカードは「女帝」である。自分の意志で大学院に進み、自分なりに人生設計している娘さんに違いない。「女帝」のように、頭がいいだけでなく、物事の本質をキャッチする感性も持ち合わせている娘さんに対して、親がすべきことはただ一つ、見守ることだ。Iさんは、肝に銘じた。