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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第281回  よく人と喧嘩する母に、どう接すればよいか

 

Q.Kさんの母は79歳になるが、早くに夫に先立たれ、ずっと故郷で1人暮らしをしている。1人で暮らすようになってから、母は、ご近所さん達と仲良く出来ず、いつも喧嘩をしてしまう。故郷を離れて暮らすKさんは、電話で愚痴を聞いてあげたり、時には出向いて話を聞き、なだめたりしてきた。しかし、一時的に機嫌はよくなるが、やはり近所の方と喧嘩になる。特に、隣のお宅とは仲が悪いようで、隣の敷地の植木の葉っぱや花びらが、自宅の庭に飛んで来る度に、Kさんに何とかして欲しいと、電話がかかって来る。春になると毎年の事だが、Kさんはどうしたら良いかタロットに聞いてみることにした。

E・Kさん 40代 東京

A.

(1)
現状

現状は「皇帝」である。Kさんは、カードを見て、現実的に対応しようとしている自分であると思った。Kさんの母はしっかり者であるが、何か意に染まないことがあると言い方がきつくなる。特に、娘のKさんへの当たりは強烈なので、今までは、そんな母から逃げるようにしてきた。しかし、精神的な学びをするうちに、Kさんは苦手な母としっかり向き合うことの大切さを感じるようになった。カードは正立なので、Kさんの積極的な取り組みはとてもよいことがわかる。

(2)
経緯 現状

経緯には「斎宮」が出た。この女性は、1人暮らしをする母である。現状のカードとあわせて見ると、自分が母の背中を見つめる光景が浮かぶ。Kさんにとって、母親は、気性の激しい、とても厳しい人である。そのイメージがあまりにも強烈なので、その奥に秘められた母の本心をあまり考えることがなかった。1人でずっと頑張ってきた母は、本当は孤独なのかもしれない。Kさんは、2枚のカードから、母の表面的なことに振り回されるのではなく、もっと母の背中が伝える心の声に耳を傾けることが大切…と気づいた。

(3)
経緯 現状 展望

展望は「宙吊り」なので、隣のお宅から飛んでくる植木の葉っぱや花びらの問題に関しては、Kさんは手を出さず、しばらく見守るのがよいと思った。

(4)
経緯 現状 展望
 (4)

「斎宮」の注目カードは「教皇」。そろばん塾の先生として50年以上教えてきた母である。母はずっと現役の先生で、2人の生徒が隣町から通って来ている。Kさんの父は、20年近く病気で入退院を繰り返していたが、そんな時も母は父を助けながら、4か所の教室を切り盛りしてきた。母には、そろばん塾への思い入れも強いに違いない。Kさんは、こうした母の偉大な部分にも目を向けて、母に対応する必要があると思った。 アドバイスカード「月」から、Kさんは、ふと自分がそろばん塾を継ぐことを期待されていたことを思い出した。結局は、自分の好きなことを仕事にし、故郷に帰ることもしなかった。たまに母の手伝いをすることはあっても、 Kさんは、自分がそろばん塾にどう関わるか、口にすることすらなかった。頼りにしていた一人娘のKさんのつれない態度に、母は寂しかったのではないだろうか。どうしようもない寂しさを埋められずに、喧嘩をしてきたのかもしれない。Kさんは、これからはできる限り母の気持ちに寄り添い、家業のそろばんに対しても、自分にできることを少しずつやっていこうと思った。

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