.Mさんは、地元の会社で正社員として勤務している。仕事の忙しさが大変な時もあるが、何よりもつらいのは、社内のある人との人間関係である。その人は相手によって態度が変わり、相手が上役や自分の得になる人には優しく、そうでない人には横柄で、Mさんは、その人がとても苦手である。Mさんと同じ思いを持つ人は、職場に何人かいるが、皆我慢して働いている。Mさんは、このつらい状況を我慢するより、いっそのこと辞めて転職した方がいいのではとも思っている。どうするのがベストか、タロットで見ることにした。
E・Mさん 40代 神奈川
A.
(1)現状 |
現状は、「太陽」が逆向きで出た。Mさんには、「太陽」の顔が怒っているようで、職場の苦手な人の顔に見える。Mさんは、その人の高圧的な視線を強く感じるために、今の職場が苦しいのだと思った。課題カードなので、今のままではいけない。何とかする必要がある。
(2)経緯 | 現状 |
経緯の「星」では、壷から流れる水がMさんの目に留まった。ひざまずいて健気に水を注ぐ姿は、まさに職場での自分である。Mさんは温和で控えめ的な性格なので、嫌なことがあっても外にあらわさず、職場の誰に対しても、献身的に接するようにしてきた。例の苦手な人には我慢しながらの時もあったが、カードは正立なので、これまで、よく頑張ってきたといえる。
(3)経緯 | 現状 | 展望 |
展望は「神の家」。この建物は、今の会社である。建物の右上に着目したMさんには、建物の一番上が開いているように見える。風通しが良くて、とても開放的だ。カードの下のほうには、逆立ちして足元を見ている人も描かれていることから、社内の雰囲気が変わることで、職場で働く人の意識も変わる様子が窺える。今まで見えなかった自分の会社の良さを発見して喜んでいるようにも見える。
(4)経緯 | 現状 | 展望 |
(4) |
「太陽」Rの対策カードは「正義」で、大きな剣を持って、まっすぐ見つめる視線が印象的である。Mさんは、剣から、一瞬、今の職場を切って転職もいいかなと思いかけたが、正面を直視する視線から、転職といった人生の重大なことを、好き嫌い、苦手な人がいるといった一時の感情に振り回されて決めてはいけない、もっと冷静に自分の置かれている現実を見て判断すべだと痛感した。
(5)
(5) | 経緯 | 現状 | 展望 |
(4) |
「星」の注目カードは「節制」Rで、二つの壺の水の流れがよくない様子である。これは、例の苦手な人との交流ができないことをあらわしているのであろうか。あるいは、我慢して働いている同僚と交流がないことをあらわしているのだろうか。その両方ともいえる。いずれにしても、心情的な交流がないことが、Mさんを追い詰め、疲れさせていることがわかる。
(6)(5) | 経緯 | 現状 | 展望 |
(6) | (4) |
「節制」Rの対策カードは、「審判」が出た。Mさんをはじめ、職場の何人かが例の人と問題を抱えているが、職場の上司は気付いていない。職場の雰囲気がギスギスしているのに、どの人も、我慢しているだけである。カードは、そんな状況を変えるべく、同じ問題を抱えている同僚何人かと一緒に上司に打ち明け、相談してみてはどうかと提案する。一人だと上司に相談する勇気がなかったMさんも、他の人と一緒なら上司が聞き届けてくれるかもしれないと、希望が持てた。>
アドバイスカードも「正義」なので、Mさんは、感情的にならず、今の職場の悪い部分だけでなく良い部分も見つめてみること、また、転職も、仕事の適性、仕事の内容やお給料、通勤時間など、自分に見合ったものがあるのかどうか、現実を見ることも必要であると思った。でも、一番現実的な対処法として、まず、すべきなのは、同じ悩みを抱える同僚と上司に相談することだと納得した。