本文へスキップ

イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第299回 スランプぎみだが、これまで通り投稿を続けていくべきか。

Q.

Nさんは、詩を書いて、作品を新聞・同人誌・コンテストなどに投稿しているが、最近は、スランプであまり書けていない。不調だが、これまで通り投稿を続けていくべきか、投稿を減らしたほうがいいのか、心が決まらないでいる。どうするのがいいか、カードに聞いてみることにした。

M・Nさん 40代 東京

 

A.

(1)

現状

現状は「戦車」Rが出た。カードは、今のNさんの状況をよくあらわしている。ひっくり返った馬車は、車輪をうまく動かせず、前に進もうとしても進めない。今のNさんは、まさにこんな状況にある。気持ちが空回りして、結局、書き進められないのである。Nさんは、カードが逆向きであるのを見て、「この状態を放置すると、この先もスランプが続きそう。何とかしなければ」と思った。

(2)

経緯 現状

経緯の「審判」Rを見て、Nさんは、ピンとくることがあった。Nさんは、一昨年に応募したコンテストで、最終選考に残り、審査員に高評価を得たのだ。Nさんは気をよくし、昨年末も意気込んで、同じコンテストに出品したのだが、一昨年とは打って変わって全く何の反応もなく、結果は落選であった。期待が大きかった分、選考にかすりもしなかったことに大きなショックを受けたNさん。そのショックから立ち直れず、出品意欲もしぼんでしまったのである。吹っ切ったつもりでいたが、カードを見たNさんは、まだ尾を引いていることに気づいた。

(3)

経緯 現状 展望

展望は「月」Rで、Nさんは、水の中にいるザリガニが自分だと思った。周りが月から降り注ぐエネルギーの恩恵を受け、楽しそうなのに、自分は水の中で動けない感じがする。 これは、一昨年、高評価を受けたことに、まだ縛られていて、身動きが取れないことを示唆していると思われる。心の片隅に、投稿するからには、高評価を得るような作品にしなければと思う自分もいて、足を引っ張っているのかもしれない。

(4)

経緯 現状 展望
 (4)

「戦車」Rの対策カードは「隠者」で、にぎやかな世間から一歩退いて、静かに内面を探求している人の姿である。Nさんは、スランプの今は、外に向けての発信のあり方を考えるより、自分の内面を見つめることが大切だと思った。自分の内にある光に意識を振り向け、その光で心を照らすのだ。

(5)
経緯 現状 展望
(5) (4)

「隠者」Rの注目カード兼「審判」Rの対策カードは「太陽」である。カードの中の2人は無邪気で、実に楽しげである。創作活動には、こうした湧き起こる純粋な楽しさや喜びが欠かせない。「隠者」と「太陽」は「光」で親縁しているので、自分の中の光に気づくことが、スランプを脱するきっかけとなるだろう。

(6)

経緯 現状 展望
(5) (4)  (6)

「月」Rの対策カードは「世界」で、中心にいる女性がNさん本人。清々しい気持ちで伸びやかに振る舞う姿を見て、Nさんは、評価されることに囚われず、清々しい気持ちで詩作に取り組むことが必要だと思った。そうすれば、自分の自由な発想を取り戻すことができるだろう。

アドバイスカードは「仕事師」。初々しい少年の姿から、Nさんは、詩を書き始めたばかりの頃を思い出しなさいと言われた気がする。あの頃は囚われるものがなかったから、自由な発想で詩作に挑戦していた。詩を作ることが、とにかく楽しかった。いつの間にか賞や掲載などに囚われて迎合し、作品が作れなくなっていたが、初心に帰って、まず詩作を楽しむことから始めようと心が決まった。

前回のケーススタディ

バックナンバー

(第201回~最新号)

(第82回~第200回)