Q.
Kさんは、今、妹と二人暮らしをしている。一昨年、母親が亡くなるまで、長く、三人で暮らしていたので、家には思い出がいっぱい詰まっている。母親が病気になってから見送るまで、あまりに慌ただしい日々を過ごしたこともあって、すぐに遺品の整理をすることもせず、過ごしてきた。でも、今年10月には、賃貸契約の更新がある。一人暮らしを希望する妹と話し合って、Kさんも、これを機に、自分も引っ越しすることにした。Kさんは、職場に近い一人暮らしの賃貸物件を考えているが、今の家にある母の思い出の家具などもある程度収納できる、古くても広い部屋がいいのか、思い切って物を整理し、広くなくても快適な新しい物件がいいのか、それとも新しい視点が必要なのか、定まらない。Kさんは、タロットで心を整理することにした。
Y・Kさん 30代 東京
A.
(1)現状 |
①現状に出たのは、「皇帝」である。自分たちが暮らしてきた家をめぐる、これまでのいきさつを見据え、しっかり対応しようとしているKさんである。家族や親族の中で頼られる存在のKさんは、自分に求められている役割を十分自覚している。カードは正立で、Kさんの在り方を後押ししている。
(2)
経緯 | 現状 |
②経緯は「斎宮」Rで、Kさんは、膝元に置いた本に注目した。賃貸物件の資料のことだ。これまでは、「一人暮らしの賃貸物件で、自分に気に入るのはあるかな?」の目線で、資料を見ていた。Kさんとしては、できるだけいい引っ越しにしたいとの思いで情報収集をしていたのであるが、カードが逆向きであることから、机上の情報ばかりを追いかけすぎていたかもしれないと、反省した。
(3)
経緯 | 現状 | 展望 |
展望は「悪魔」。下に嬉しそうにつながっている2人の小悪魔を見て、Kさんは一瞬、賃貸物件のことかと思いかけたが、すぐにピンと来るものがあった。自分にとってかけがえのない存在である妹と彼氏である。引っ越し先の物件内容や利便性も大切であるが、二人との関係はKさんの人生にとって、比べ物にならないほど重要である。二人と良好な関係を保てる物件探しをすることだと納得。
(4)
経緯 | 現状 | 展望 |
(4) |
斎宮」Rの対策カード「審判」は、「斎宮」Rの、一人で部屋に閉じ籠って、情報収集している絵柄と対照的である。Kさんは、コミュニケーションの必要性を感じた。一緒に暮らしてきた妹とは、母親の遺品の整理も含めて、もっと話し合ったほうがいいし、彼氏の思いも汲み取ったほうがいい。物件に関しても、実際にいくつかの不動産屋に出向き、問い合わせてみたほうが決め手になると思えた。
アドバイスカードは「世界」である。中央の人物は、周りの人との連繫プレーをうまくこなし、関係者が全員満足している様子が読み取れる。Kさんは、身近な人たちとの繫がりを視野に入れて物件探しをすることにした。「人生の節目になるような引っ越しは、自分一人の問題でない」、頭では分かっていたことだが、タロットを展開することでしみじみと実感したKさん。このタイミングでタロットを展開して、本当に良かったと感謝。 前回のケーススタディ