Kさんは、先日、長年愛用するアロマのオイルメーカー主催のイベントに参加し、とても感動して帰ってきた。そのオイルメーカーは、アメリカに本社があり、来年の7月には、創立25周年のコンベンション開催が予定されている。これまでも、毎年、開催されていたが、来年は、特別なコンベンションになりそうだ。先日のイベントで、改めて創業者の熱い生き方に触れ、たくさんの素晴らしいスピーチに刺激を受けたKさんは、コンベンションに参加できたらいいなと、心が動き始めている。しかし、現実の自分が置かれている状況を考えると、とても行けると思えない。参加を決めた知人は、一緒に行こうと熱心に誘ってくれる。Kさんは、半分諦めながら、それでも自分の取り組み方次第で、参加の可能性があるのなら、参加できるよう頑張ってみたいと思う。何をどうしたら参加への道が開けてくるのか、タロットに聞いてみることにした。
A・Kさん 40代 神奈川
A.
(1)現状 |
①現状には「愚者」が正立で出た。「愚者」の絵柄は、「コンベンションに参加したい!」と願う今のKさんを、実によくあらわしている。あまりにもピッタリのカードで、Kさん本人も驚いた。後ろの犬が旅人を後押ししているように見えるが、旅人が見ているのは足元ではなく、何処か遠くの方。あまり現実的な感じがしない。Kさんには、「参加できたらいいのに・・・。」と、遠い夢を追いかけようとしている自分の姿にも感じられたのである。 いずれにせよ、カードは正立。まずは参加を前向きにとらえてよいのだと思った。
(2)
経緯 | 現状 |
②経緯は「太陽」で、暖かい太陽の元に立つ二人の子供を見て、Kさんは、イベント会場で、知人が「ぜひ、一緒に行きましょう」とコンベンション参加を誘ってくれた場面を思いだした。また、太陽や周りの水滴が、参加者のオイルへの愛情や情熱をあらわしているようにも感じられた。イベント会場には、皆さんのそうした思いが溢れていた。そして、Kさんも、その思いに深く共感し、コンベンションに参加したい気持ちを大いに刺激されたのである。経緯も正立だ。
(3)
経緯 | 現状 | 展望 |
③展望は、「皇帝」。Kさんは、最初カードを見て、「この人物は主人だ」と直感した。彼を説得することが、参加の鍵なのだろうか。確かに。実際、参加することになれば、子供たちの世話と家事を頼めるのは、やはり主人である。Kさんは、皇帝は、現実的に物事にあたり、確実に実行していく人で、愚者のような夢想家とは違うなあと思いめぐらしているうちに、はっと気づくことがあった。今の自分は、ただコンベンションに参加したい!と思うだけで、参加してどうしたいのか、具体的な構想がない。寛容な主人は、Kさんが頼めばすべてを受け入れ協力してくれるかもしれない。でも、苦労を全部背負わせて、自分は「夢のようなひと時を過ごせて大満足」で終わってしまったら、きっと後悔するだろう。Kさんは、自分がまずすべきは、参加の意義を自分に問いかけ、現実レベルに還元していける将来設計を練り上げることだと思った。主人に参加の打診をするのは、その後だ。「皇帝」カードは、自分に向けられたものかもしれないと、Kさんは思わず納得した。
アドバイスカードは「仕事師」である。Kさんには、テーブルの上に散らばるさまざまなものを、てきぱきとさばいていく自分の姿に見える。早割りの参加申し込み期限は来年の1月末。コンベンション参加を目標に、参加の意義と将来設計、不在中の家事と子供の世話をどうするか、すべてを夢想するのではなく、現実問題として具体的に考えてみようと思った。 カードの展開は3枚で完了し、予想していた困難さを示唆するカードもなかった。多くのハードルがあって絶対に難しいと思っていたKさんには、意外だった。「案ずるより産むが易し」、自分の思い込みが、事を難しくしすぎていたのかもしれない。すべきことに専念しようと心が固まった。