Q.
Hさんは、今年で68歳を迎える。あるきっかけで、マルセイユ・タロットの存在を知り、興味を持ったが、学び始めてみて、タロットは面白いだけでなく、実に深く、とても学びがいのある世界だと実感した。たくさんの気づきを得たし、何よりも、人生を俯瞰する眼が持てるようになった。苦労の多かった自分の人生の意義も見出せるようになったのである。その嬉しさから、Hさんは、タロットを、もっともっと探求していきたいと思うようになった。タロットリーダーになって、人の役に立てるようになったら、どんなに素晴らしいことかと夢見ている。この思いは実現できるだろうか。どんな取り組みをすれば可能になるのか、Hさんは、タロットに助言を求めることにした。
S・Hさん 60代 香川
A.
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①現状には、「戦車」Rが出た。タロットを学び始めて、それなりの時間が経った。今は、まだ忙しく仕事をしている身で、リーディングの修行は合間を見て行うといった状況である。まだ、十分な修行をしたと言えないことは、自分が一番わかっている。しかし、気持ちの上では、早くタロットリーダーになりたい、いつか仕事として成功させたいとの思いが強すぎるようだ。自分の決めた道を、勢いよく突き進む人物が逆さになっているのを見たHさんは、ちょっと焦りすぎている自分を反省した。
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経緯 | 現状 |
②経緯は「教皇」で、タロットを学んできた自分の様子である。各地からやってきた同じ志を持つ人たちと一緒に学ぶことができ、Hさんは心強かったし、刺激も受けた。何よりも、タロットの世界を学ぶことが本当に楽しく、新鮮だった。地方から都心の教室に通うことには大変さもあったが、カードが正立であるのを見て、Hさんは、思い切ってやって正解だったとしみじみ思った。
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③展望カードは「13」R。タロットリーダーへの道は、厳しそうだ。一瞬、「自分には無理なのだろうか?」の思いがよぎりかけたが、長年、仕事をしてきた自分の経験を考えれば、何か新しい道を切り開くのは、そんなに甘くないことはわかる。絶対にやりたいという強い気持ちは必要であるが、それだけですぐ何とかなるものではない。Hさんは、もっと落ち着いて、「13」Rの声を受け止めようと思った。
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④「戦車」Rの対策カードは「斎宮」である。Hさんは、カードから、「タロットをしっかり勉強しなさい。もっと知識を深めなさい。勉強を続けていれば、リーディングの機会は必ず訪れます」との語りかけを感じた。
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⑤「斎宮」の注目カードは「恋人」が出た。友人や、知人、会社の人たちに違いない。Hさんは、彼らがさまざまな問題で悩み、自分に相談に来てくれたら、その時こそ、タロットを使えばいいと、思えた。
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⑥「13」Rの対策カードは「愚者」。「13」Rで、否定的な重苦しさを感じていたHさんは、このカードを見て、一気に明るい気持ちになれた。タロットリーダーへの道は、焦らなくてもいい、早く、早くと思うから、うまくいかない。おおらかな気持ちで、地道に一歩一歩進んで行くことが、自分にぴったりのやり方なのだろう。
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⑦「愚者」の注目カード「節制」からも、Hさんは、繰り返し、繰り返し続けていくことの大切さを痛感した。「節制」は救済者であることにも、はっとした。そして、Hさんは、節制の天使の温かい眼差しから、「あなたも、救済を目指しなさい。タロットで身近な人達を助ける者になりなさい」との激励を強く感じたのである。
アドバイスカードは「女帝」である。ゆったりと座る姿には、落ち着きと自己信頼が溢れている。Hさんは、焦って、自分を見失うことがあってはならないと思った。「女帝」のようにどっしりと構え、タロットで「節制」の救済者を目指していこうと、決意できた。自分の内側から「大丈夫、きっとできる」と、力がみなぎった。