Q
Sさんの娘は2歳になる。自我が芽生えてきた娘は好奇心が旺盛で、最近は、やりたがることが増え、自己主張も増えてきた。Sさんは、母親として娘の成長を嬉しく思いながら、咎める事も多くなったと感じている。一方、まだ小さいのにあまりガミガミいうのもどうなのだろうか、またそうすることで、知らないうちに娘の可能性の芽を潰すことになっていないだろうかという思いに駆られる時もある。タロットを学んだSさんは、娘への接し方を見つめ直すべく、カードを展開することにした。
K・Sさん 30代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状は「斎宮」が逆向きで出た。Sさんは自分のことをあらわしていると、すぐわかった。首元にさりげなく描き込まれた手斧がやたらと気になり、今の自分のあり方は、娘に厳しすぎるのだと思った。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯も「審判」が逆向きで、カードを見たSさんは、思い当たることがたくさんあった。ラッパを持つ天使は、まさにガミガミと、小うるさく娘を咎める自分のようである。ラッパの先にいる3人の人物は、父母と子どもに見える。真ん中の空色の人物が娘であろう。ついこの間までは、我が子の誕生を喜び、授かったことに感謝して、手を合わせることが多かったのに、娘の自己主張が増えるにつれ、いつのまにか、自分のガミガミの方が多くなってしまった。逆向きで出たカードを見て、Sさんはこれではいけないと反省した。
(3)展望
③展望に出た「太陽」も逆向きである。本当は、このカードのように、温かく娘を見守ってやりたい、かわいさもわがままもあるが、とにかく娘の存在を丸ごと、太陽のような心で迎え入れ、導いてあげたいのである。でも、今のように咎めてばかりの現状からは、とてもそのような展開はイメージできない。小さなことに囚われる自分には、おおらかさが欠けている。今のうちに軌道修正しなければ・・・。
(4)
④「斎宮」Rの対策カードは「隠者」であった。Sさんは、カードの中に自分自身のあるべき姿を見た。娘にとって、自分は、隠者のように光明のランプを掲げて、どっしりと揺るぎない存在であるのがいいのだろう。静かに娘を見守り、本当に必要な時に口を出すようにするのがいいと思えた。娘は自分を照らすランプがあることで安心し、のびのびと成長できるに違いない。
(5)
⑤「隠者」の注目カード兼「審判」Rの対策カードは「仕事師」。見るもの触るものすべてが興味深く、好奇心のままに行動したがる娘の姿に見えた。「隠者」が「仕事師」を背後から見守っているような展開になったことから、Sさんは、自分がすべきは、隠者のように背後から見守ること、娘の前に立って説教することではないと気づいた。そうする限り、自分はおおらかでいいのだと思った。
(6)
⑥「仕事師」の注目カードには、「13」が出た。Sさんは、自分の深層心理を垣間見るようだった。自分には、人に迷惑をかけてはいけないという思いが、絶えず強く働いていることに気づいたのである。こうした思いは良い面もあるが、強すぎるとやはり問題を起こす。これまで何度も、身動きが取れなくなってしまうことがあった。自分自身がそうだったので、娘の言動に対しても、同じ思いが働き、やはり咎めることの方が多い。「13」は、この点に気づきなさい、気づくことで意識的に変えていきなさいと言う。ハッとしたSさんは、娘に自分と同じことをしてはいけないと痛感した。
(7)
⑦「太陽」Rの対策カードは「正義」。Sさんは、両刃の剣に着目して、娘の言動に注意深くなる前に、まず自分自身の反応を認識し、自分を律するのが先決であると思った。自分の深層心理に染み込んでいる考え方や行動様式を注視することで、この問題を少しずつ解決していけるのではないか。
アドバイスカードも「太陽」である。Sさんは、いつもにっこり微笑む太陽のイメージを心に刻んで、娘に接していこうと思った。「三つ子の魂百まで」、子供が幼く多感な時期の母親の役割は大きいと、改めて納得。
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