Q
Hさんが住んでいるアパートが取り壊されることになった。アパートも周辺の環境も気に入っていたので、去年、大家さんから、取り壊し決定の連絡を受けたときは、残念に思ったが、もはや決まった以上、引っ越しするしかない。他にも不動産を所有している大家さんは、空いている別棟の部屋をHさんに紹介し、その部屋に引っ越してもいいし、自分で新しい部屋を探してもいいからと、声をかけてくれた。大家さんの心遣いをありがたく思いながら、Hさんは、さてどうしようかと思案している。信頼関係のある大家さんの紹介を受けたほうがいいのか、あるいはこれまでとは違う地で、新生活を始めるのがいいか、Hさんは、タロットの助言を仰ぐことにした。
T・Hさん 神奈川 40代
A
(1)現状
現状 |
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①現状には「世界」が出た。Hさんは、明るく楽しげな中央の人物が自分であると思った。Hさんは、取り壊しの話を聞いても、ショックで動揺することも不安に襲われることもなかった。「賃貸である以上、いつか区切りをつける時は来るもの。何とかなるわ。いい大家さんに巡り会えた私は幸せだったし、その大家さんの紹介なら、次の物件も、きっと整ったよいところに違いないわ」と、自分に起きたことに非常に肯定的である。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「斎宮」で、Hさんは、絵柄に自分の性格がよくあらわれていると思った。Hさんは、冷静で慎重な性格。この度も、アパートの取り壊し決定で引っ越しの必要性が生じたことを、静かに受け止め、思案していた。大家さんの紹介を受けるのもいいけれど、住宅情報誌で探してみるのもいいかもなどと考えながら。Hさんは、斎宮の視線も気になった。注目カードを出したら、関連をしっかり見ようと思った。
(3)展望
③展望の「愚者」は、何かを探しに出かける様子。大家さんが紹介してくれた部屋もよさそうだが、自分で探せばもっといい物件があるかもしれないと期待して出かける自分の姿と重なる。
(4)
④「斎宮」の注目カードは「教皇」。大家さんだ。Hさんには、大家さんが右手で何かを指し示しながら、「私のところに、いい物件がありますよ。Hさんも気に入ると思うね」と、話しかけているように見えた。
(5)
⑤「愚者」の注目カードは「恋人」Rであった。真ん中にいる人が、仲介を請け負う不動産屋である。キューピッドの矢に注目したHさんは、期待して出かけていっても、いい物件に矢が当たらない、うまく見つからないことをあらわしているようだ。あるいは、担当者とのやり取りがうまくいかず、不信感を抱くようなことがあるかもしれない。いずれにしても、カードは逆向きなので、自分で見つけるのは難しいと思われる。
(6)
⑥「恋人」Rの対策カード「神の家」では、足跡が目に飛び込んできた。Hさんは、「自分の足元を見なさい。あなたが探している自分にぴったりの物件は、遠い見知らぬ地ではなく、まさにあなたのすぐそばにあります」と言われているのがわかった。もう迷うことはない。大家さんの紹介を受けるのが、自分には最善の選択であると心が吹っ切れた。
アドバイスカードは「仕事師」である。大家さんの紹介物件に決めれば、引っ越しの準備は、楽になる。今の持ち物を早めに整理することができるし、新しい部屋の調度品を整えたり、インテリアを自分好みに工夫したりする時間もできる。てきぱきと進めていきたいと思った。
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