Q
フリーランスカメラマンの夫(Y氏)は、取引先の一社から専属カメラマンとして社員にならないかと誘われている。家族を養うために安定した収入源が確保できることは大きな魅力であるが、本心では、今後もフリーランスで仕事を続けていきたいと願っている。このままフリーランスとして続けていってもよいだろうか、それとも、誘いを受けたほうがいいのだろうか。タロットリーダーである妻とともに、タロットに相談することにした。
C・Yさん 40代 神奈川
A
(1)現状
現状 |
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①現状は「神の家」が正立で出た。真っ先に目に入ったのは、建物の外にいる人物である。Y氏には、まさに組織や会社に属さずフリーランスとして働く自分の姿に見えた。一点をじっと見つめ、腕で体を支えている様子も、自分の仕事をよくあらわしていると思う。カメラマンは、対象をとらえる自分の感性と腕がものをいう仕事だから。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「審判」が逆向きである。Y氏は、カードを見てピンと来ることがあった。取引先の会社の社長でメインカメラマンでもあった先生が、昨年夏に他界された。そのことがきっかけで、二番手だった先輩カメラマンは経営を任され、Y氏は社員の誘いを受けたのである。先生は、ここ数年撮影の一線から退いて経営に力を注ぎ、仕事は徐々に先輩カメラマンやY氏に振ってきた。先生はカメラマンとしても経営者としても秀でていたので、天に召される時も、会社の今後を気にかけていらしたに違いない。先生に引き立ててもらったY氏であるが、実は、カリスマ先生亡き後の会社の経営には、少なからず不安を感じている。逆向きの絵柄は、こうしたY氏の複雑な心模様がよくあらわれている。
(3)展望
③展望は「正義」。Y氏は天秤と剣に注目した。会社員(安定した収入)とフリーランス(自分の使命)を天秤にかけ、いずれかを選んだなら、迷わずその道を突き進むことが大切なのだと思った。真正面を見つめる女神の視線を強く感じたY氏は、地上の損得の天秤ではなく、自分の心の中の天秤にかけて決めるべきことだと、思わず納得した。
(4)
④経緯の対策カードは「戦車」が出た。Y氏には、自ら仕事を回しながらこれまでやってきた自分の姿に見える。
(5)
⑤「戦車」の注目カードは「隠者」。このカードも、1人で、自ら灯りを掲げて、進むべき道、撮りたいものを求めながら歩む自分に見える。
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⑥隠者」の注目カードは「教皇」である。「戦車」・「隠者」の1人に対し、複数の人物がいることから会社や組織を表しているように見える。一連のカードを見ると、組織や会社に向き合う形の自分の姿が浮かび上がる。Y氏は、この立場でいることが自分や会社にとって今後もいい関係でいられるのではないかということに気付いた。
アドバイスカードは「愚者」。まさに、フリーランスとして自分の撮りたいものを撮ろうと夢を追い、カメラマンを続ける自分の姿である。Y氏は、フリーで頑張っていこうと心が決まった。今回のリーディングは、これまでの自分を振り返るきっかけも与えてくれた。フリーランス歴は20年を超えた。その間、不安定で厳しい状況は数えきれないほどあったが、これでよかったのだとタロットが労ってくれたように感じたのである。Y氏は、これからも、愚者のように純粋に自分の撮りたいと思うものを求め、腕を磨いていこうと誓った。
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