Q
Sさんは、直接対面で、心身に問題を抱える人の相談にのる仕事をしてきた。しかし、新型ウイルス感染が拡大するにつれて、従来のやり方は難しくなった。Sさんの仲間には、この困難な時期を機に、ネットの活用を積極的に取り入れるようになった人も増えて、その人たちはネット活用のメリットを熱心に語ってくれる。これまでネット活用にあまり熱心でなかったSさんは、その必要性を感じながらも、熱心な仲間のように新路線への切り替えに一気に突き進む気になれないでいる。ネット分野の技量が乏しいこともあるが、仕事柄、従来のやり方のよさも捨てないほうがよいと思っているからである。今の仕事を続ける上で、ますます浸透するネット活用と、どう関わっていくのがよいか、タロットで見ることにした。
I・Sさん 50代 東京
A
(1)現状
現状 |
|
①現状は「恋人」で、直接対面で、問題を抱えた人の相談にのるSさんがあらわれている。絵柄のように、苦しんでいる人の心をしっかり受け止め、一緒に問題解決に向き合おうとする姿勢は、Sさんが、日頃から大切にしていることである。カードが正立で出たことから、Sさんは、タロットが、自分の仕事への向き合い方に賛同してくれたように感じ、元気が出てきた。どんな時代になっても人の心への寄り添い方は、変わらないのだろう。いろいろな考えの同業者がいるが、少なくとも自分は、自分の考えを大切にして行けばいいと思えた。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
|
|
②経緯は「星」が出た。正立が示すように、Sさんは、自分のやってきた仕事が大好きで、やりがいを感じてきた。さまざまな人との出会いは、自分自身を成長させてくれたし、少なからず、お役に立つこともできた。Sさんは、これこそが何よりの宝であると、しみじみ思った。
(3)展望
③展望は「宙吊り」である。Sさんは、カードに描かれた不動の人物を見て、自分の取るべき姿勢はこれだと思った。何事も納得してからゆっくり進むタイプの自分には、新路線への切り替えに熱心な人にすぐ追従するより、当面は自分のスタンスを維持しながら、必要に応じてネットを活用していく方が合っているに違いない。そもそもネット関連の知識や技量が乏しいのだから、焦ってはうまくいくはずがない。絵柄の人物のように、手を出す前に、まず何をどうするといいのか熟慮しよう。
(4)
④「星」の注目カードは「運命の輪」。Sさんは、輪にしがみつく2匹の動物を見て、どんな仕事も、時代や流行の波とともにあることを、改めて思い知らされた気がした。波に飲み込まれないためには、スフィンクスのように、確固たる自分の信念を持っていることが大切だが、自分はどうだっただろうか?Sさんは、「スフィンクスになったとは言えないけれど、スフィンクスであろうと努力はしてきた」と自分を振り返った。カードも正立なので、きっとこれでよかったのだと納得した。
アドバイスカードは「13」である。Sさんは、空色の背骨に着目した。社会全体が、従来とは全く異なる新しい世界に変わろうとしているが、主体性を持って、変わる世界に向き合っていこうと思った。変容の時代だからこそ、周囲を気にして煽られるのではなく、自分の中核にある価値観や仕事に対する考え方を整え、その上で、必要な部分のネット活用に取り組んでいこうと、心が固まった。
前回のケーススタディ
(第201回~最新号)
(第82回~第200回)