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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第357回 自粛後の社長の話に衝撃を受けたが、立ち直りたい。

Q H氏は、インテリア用品や生活雑貨を扱う会社に勤めている。近年は、時代の需要を取り込めず、経営状況は良くなかった。今年こそはと意気込んでいたが、新型コロナウイルス感染問題が起こり、それどころではなくなってしまった。緊急事態宣言が解除され、通常の業務に戻ったものの、自粛中の余波はあまりにも大きかった。業務復帰の初日には朝礼が行われ、社長から社員に向けての話があったが、その内容は、H氏を含め、ほとんどの社員がショックを受けるほど厳しいものであった。H氏は、社長からは、社員へのねぎらい、共に頑張ろうと、皆を鼓舞する激励があるだろうと、ひそかに期待していたので、受けたショックは半端ではなかった。社長からすれば、社員を奮い立たせるための荒療治のつもりだったかもしれない。しかし、H氏は、今までの仕事に対する考え方や行ってきたことを否定するかのような社長の強い口調に打ちのめされ、表面上、仕事はしているが、心の中は晴れない。この苦しい現状にどう対処していくのがよいか、カードに聞いてみることにした。

                                                                                                                                                                                                                        M・H氏 40代 埼玉

A

(1)現状
  現状
①現状は「太陽」が正立で出た。カードを開くなり、レンガの中で手を取り合う2人の少年の姿が、H氏の目に飛び込んできた。今の職場の状況をよくあらわしていると思った。社長の厳しい話にショックを受けつつも、社員は慰め合い、励まし合い、何とか仕事に取り組んでいる。カードの中の太陽が、「苦しいどん底のような時に、励まし合える仲間がいることは素晴らしいことです。力を合わせれば、乗り越えられない困難はないのですよ」と、激励してくれるように感じられ、H氏は忘れかけていた明るい気持ちが戻ってくる感触を得た。実際、同僚の存在はありがたい。苦労を共有しているだけあって、結束力は強くなったと思う。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「恋人」の正立である。H氏には、自粛中の職場の状況に見えた。自粛中もすべき仕事があり、少人数で対応してきた。気心が知れた同僚とは、先々のことを話し合うこともあった。正立カードが示すように、話し合うことで、不安に駆られて悶々と考え込んだり、悲観的にならずに済んだのだと思う。

(3)展望
  経緯   現状   展望
③展望は「宙吊り」R。今の鬱々とした気持ちを引きずっていると、その重い気持ちが、自分をますます苦しくし、自分を縛っていくことは、H氏にもよくわかった。このままではよくない。冷静になれば、社長の厳しい言葉は理解できる。従来の発想のままでは、これからの時代の需要に応えることができないことや、まったく新しい発想で仕事に取り組むことが必要とされていることは、その通りだと、H氏も頭ではわかる。ただ、傷ついた自分の気持ちを整理できないでいる。だから、苦しいのだ。

(4)
  経緯   現状   展望
      (4)
④「宙吊り」Rの対策カードは「愚者」である。H氏は、愚者の遠くを見上げる顔の表情を見て、目先のささいなことでくよくよしている自分を恥じた。そもそも今の仕事を選んだのは自分で、自分の夢の実現ができるところだと思って就職したのである。大空を見上げ、おおらかな気持ちを取り戻そうと、H氏は自分に語りかけた。大きな心を取り戻せば、大切なことと些細なことの判別もできるものである。

(5)
  経緯   現状   展望
     (4)      (5)
⑤「愚者」の注目カードは「隠者」が出た。H氏は、人々の喧騒から離れたところで、灯りを掲げる姿に注目した。思い当たる人は、何人か浮かんだ。その人たちは、いつも見守り、行き詰った時には導き、時には叱咤していてくれる。こうした賢者と言える人々との交流を通じて啓発を得ることは、未熟な自分には本当に必要であると思った。

アドバイスカードは「悪魔」。一致団結する人たちの姿である。社員の気持ちがバラバラだと、苦境は乗り越えられない。こんな時だからこそ、社長を中心に社員が一丸となれるよう、自分の方からから寄り添うことの大切さを痛感した。自分の感情に負けないで、ちゃんと支えられる大人になろうと思った。

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