Q
Kさん宅では、ついこの間までは何の異常もなかったトイレから、水漏れの音が聞こえるようになった。3日ほど前から、「ポタッ、・・・ポタッ、・・・」と、間隔をおきながら、水滴の垂れる音が聞こえるのである。何かに没頭していると、耳に入らないくらいの間隔の音であるが、それでも、一旦音を聞いてしまうと、耳から音が離れず、気になってしかたがない。そこで、先日、投函されていた水漏れ修理のチラシがあったのを思い出し、よく考えもせず、チラシにあった業者に出張の依頼をした。しかし、電話を切ってから、今度は、そこに頼んでよかったのだろうかと不安になり、どうも気持ちが落ち着かない。Kさんは、こんな時にはタロットに相談するのが一番!と思い、カードを展開することにした。
T・Kさん 60代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状に出たのは「正義」で、絵柄からは、トイレのかすかな水漏れに気づいて、「あら、大変。早く手を打たらなければ!」と緊張が走るKさんの姿が浮かび上がる。カードは正立で、問題解決をKさんに促している。Kさんも、カードを見てその通りだと思った。真正面を向いているので、現実的に対応することが大切と納得。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「審判」Rが出た。Kさんは、カードを見て、水漏れに気づいてからの自分のドタバタがよく出ていると思った。水漏れ修理を頼もうとしても、決まった業者の当てがあったわけではない。ネットで検索する習慣もなかったKさんは、気持ちが動転して、たまたま郵便ポストに入っていたチラシを取り出し、電話をかけて、見に来てもらう依頼をした。これだけなら料金は発生しないとあったので、気軽に電話したのだが、電話を切った後も、Kさんは、落ち着かなかった。チラシをよく見ると、調子のいい宣伝文句は大きく書いてあっても、業者についてはほとんど紹介がなかった。カードが逆向きであったことから、再検討したほうがよいと思った。
(3)展望
③展望は「神の家」が逆向きである。Kさんには、自分の住む家が、突然の出来事でひっくり返ってしまったように見えた。水漏れは止まらない、それどころか、放置すればどんどんひどくなるだろうとしか思えなかった。
(4)
④「審判」Rの対策カードは「斎宮」。落ち着き払った斎宮は、「まず、動転した気持ちを静めましょう。それから、もう一度よく考え、必要なことを調べてみてはどうですか」と、Kさんに優しく語りかけるかのようだ。Kさんも、斎宮の助言を素直に受け止めることができた。
(5)
⑤「斎宮」の注目カードは「宙吊り」である。ここでも、冷静になること、やみくもに目の前にあるものに飛びつく前に、よく見ることの必要性を痛感した。
(6)
⑥「神の家」Rの対策カード「愚者」からは、歩く姿が目に付いた。Kさんは、地元で、自分が歩いて行ける近場で見つけたほうがいいことに気づいた。そこで、管理事務所に電話することにした。管理事務所は、昔ほど活発ではないが、今でも機能している。Kさんが一番馴染みのある、安心して相談できるところである。
(7)
⑦「愚者」の注目カードは「運命の輪」で、絵柄を見たKさんは水回りが改善される確信を得た。このタイミングを外さずに、すぐ管理事務所に連絡しようと思った。
アドバイスカードも「愚者」。Kさんは、日常生活で困ったことが起きたら、やはり気軽に歩いて行ける身近な地域で対応できるようにしておくのがよいと、再確認できた。これから年を重ねていくにつれて、このことの大切さを噛みしめることが多くなるに違いない。
後日談
Kさんは、タロットの助言通り、すぐ管理事務所に電話をかけた。すると修繕隊の方が来てくださり、簡単に水漏れを修理してくれたとのこと。その前に、頼んでおいたチラシの業者からは、故障しているから全部を交換する必要があると言われ、高額の見積もりを提示されたが、その後に来てくれた修繕隊の方は、長年、管理事務所と付き合いがあるから無料でいいと言ってくれたという。年金生活者のKさんにとっては、本当にありがたいお話だった。困った時に、安心して頼める助っ人が身近にいてくれるとはなんと心強いことかと、喜びが何倍にもなった。素晴らしい助言をしてくれたタロットにも、ただただ感謝!
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