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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第383回 苦手な上司とのコミュニケーション力を高める鍵は何か。

Q

Fさんは、メディア関連の資料室で仕事をしている。上司はFさんと年齢は2つしか違わないが、今の部署に長く務めたベテランである。有能な上司で、Fさんにとって、普段はとても良い人であるが、時にどう話しかけていいか戸惑うほど気を遣うことがある。上司とのやり取りで気になることがあると、Fさんは仕事を終えて帰宅しても尾を引きずってしまい苦しい。資料室の仕事は気に入っているので、何とか苦手な上司とのコミュニケーション力を向上させたいと思っている。そこでタロットにアドバイスを求めることにした。

                                                                                                                                                                                                                           M・Fさん 30代 東京

A

(1)現状
現状
①現状には「仕事師」が逆向きで出た。Fさんは、カードを見るなり、まさに職場で上司の様子を窺っている自分であると思った。上司はFさんと年が2つしか違わないが、部署の仕事に通じており、子どもの頃、両親から厳しく躾けられたとのことで、礼儀正しく言葉遣いも丁寧である。上司の美点であるが、過剰になると、神経質で感情的になる。そんな時、神経が細やかなFさんは、非常に気を遣う。上司が苛立って、間違いをしているような時でも、結局何も言えず、心の中で悶々としてしまう。これでは気疲れするばかりで駄目だと思うが、これが自分の現状である。

(2)経緯
経緯 現状
②経緯は「悪魔」で、Fさんの部署3人の様子をあらわしている。中央の悪魔が上司、小悪魔はFさんともう一人の同僚である。Fさんと同僚は、上司に対して従順である。小悪魔が手を隠しているように、仕事中は、二人ともあまり本心は出さない。同僚はさばさばした性格なので、忠誠心を見せながらも、嫌なことはすぐ忘れるタイプである。Fさんは、忠誠心はあるが、いつも上司の言動を気にかけ、気疲れするタイプで、対照的である。同僚は、Fさんに「気にしすぎ。仕事が終わったら忘れてしまえばいいのに」と慰めてくれる。カードは正立なので、Fさんが個人的に感じる窮屈さはあっても、職場全体としては悪くないのだろう。

(3)展望
経緯 現状 展望
③展望は「太陽」。Fさんは、このカードには、自分の上司に対する姿勢が示されていると直感した。「太陽」の二人の人物を見ているうちに、その気になれば、自分も右側の人物のように、人に対して明るく大きな心が持てるようになると思えて来たのである。そういえば、上司は、「家庭での躾が厳しかったから、・・・」とよく口にする。ひょっとしたら、上司自身も自分の性格的問題を自覚しているのかもしれない。上司とは実年齢がそれほど違わないのだから、まず自分が上司を理解し受け入れるようにすれば、きっと円満な関係になれるに違いない。

(4)
経緯 現状 展望
 
    (4)
④「仕事師」Rの対策カードは「宙吊り」である。Fさんには、逆さなのに、表情に余裕があり、どっしりとしてたじろがない姿がとても印象的だった。こんな人物なら、些細なことをいつまでも気にしたり、相手の顔色を窺うなどということは無縁だ。自分もこの人物のように、まず穏やかな余裕の表情を作ることが大切。そして、手を後ろにしている絵柄に目を留めて、上司に勘違いや間違いがあっても、いちいち気にするのではなく、業務に差し支えなければやり過ごすくらいのおおらかさも必要だと気づいた。

アドバイスカードは「13」だ。Fさんは、細かいことを気にしすぎる自分自身の変容の大切さを痛感した。今のこじんまりした部署にいるうちに、人間関係の苦手を克服しておかなければ、人生の幅を広げていくこともできなくなってしまう。いろいろな人を受け入れられるような度量の広い心を持てるようになるためにも、まず上司の言動に穏やかな表情で接するところから始めようと心が固まった。

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