Q
Iさんは、短期派遣で飲食店に勤めている。それまではずっと事務系の仕事ばかりしてきたので、仕事に慣れるまでずいぶん苦労したが、店長から認められ、できるだけ長く勤めてほしいと声を掛けられるまでになった。しかし、Iさんはすでに今後の人生設計を立てているので、当初の予定通り短期で一区切りつけるつもりでいる。働き始めて数ヶ月経つが、今後も長くて数ヶ月くらいだ。短期間でも、働く間はできるだけ職場の人と仲良く和やかに過ごしたいと願っている。ところが、最近、若い女性正社員が現場の教育係を任されてから、職場の雰囲気がピリピリし、辞める人が何人も出ている。Iさんはその教育係の正社員よりずっと年上であるが、些細なことも指示や注意を受けるので、心が萎えてきてしまった。できれば円満に勤め上げたい。どう乗り切るのがいいか、タロットに相談することにした。
N・Iさん 50代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状に出たのは「13」Rである。Iさんは、最初、カードを見るなり、歯を食いしばってひと言言いたいのを我慢している自分の姿であると思った。でも、そのうちに、鎌を振り回して、現場社員に厳しく当たっている教育係の女性正社員に見えて来た。彼女の指導についていけなかったり、反発したりして辞めていった人が何人かいるので、絵柄ぴったりだと思わず納得した。しかし、カードは逆向きで出ている。この辛い状況は何とかしたい。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「世界」R。職場の雰囲気がピリピリして、皆が萎縮している様子が、よくあらわれている。Iさんが働き始めたころは、皆が協力的で、居心地がよかった。ところが、その女性正社員が教育係を任されてから、誰の所作にも事細かに指示を出すので、いつのまにか「世界」Rのようになってしまった。Iさんも、週に3日の勤務であるが、居心地が良くない。
(3)展望
③展望は「愚者」Rが出た。カードを見たIさんは、せっかく慣れて来た職場であるが、この状態が続くと、今の職場にやる気が感じられなくなってしまうと感じられた。
(4)
④「13」Rの対策カードは「宙吊り」である。Iさんは、まず、カードの人物のように静観することが大切で、年上だからという理由で、自分からひと言言ったり、手を出したりすることはしないほうがいいと思った。また、逆さになっても余裕がある人物像から、指示される従業員の立場から判断するだけでなく、その逆の立場、教育係を任されて張り切っている彼女の立場に立って、どんな思いでそうするのかを考える心の余裕も大切であるように思えた。
(5)
⑤「世界」Rの対策カード「審判」では、ラッパを吹く天使がまず目に飛び込んできた。Iさんは、社内の上層部の人を思い浮かべた。彼女は現場の教育係に任命されたが、任命した上司がいるのだから、彼女への注意や指導は、彼女の上司の権限であり、役割であると気づいた。
(6)
⑥「愚者」Rの対策カードは「月」で、Iさんは向き合う2頭の犬に注目した。お互い向き合ってはいるが、お互いを見つめるというよりは、同じものを見上げている。Iさんはハッとした。職場は仕事をするところであるから、まず仕事という共通の目的に徹するべきなのだ。また、「愚者」Rと「月」は、空色の犬で親縁していることから、自分は空色の犬でいること、いずれ精神分野の仕事をしたいと思って勉強している自分は、こうした職場での体験も修行になることを忘れてはいけないと思った。
アドバイスカードは「宙吊り」。現状の対策カードと同じである。こうした現場では、雰囲気に飲み込まれたり感情に流されたりしてはいけない、冷静に状況をよく見ることが大切であると痛感した。Iさんは、将来、ぜひやりたいと思っている仕事の糧にしようと思った。
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