第403回　長く取引する会社で恩人が冷遇されている。何かしたいが。 : イシス学院

第403回　長く取引する会社で恩人が冷遇されている。何かしたいが。

Q　

Mさんは、アロマオイルを使って、心身の癒しや、悩みごとの相談に乗る仕事をしている。使用するアロマオイルの取引先を一つに絞ってやってきたので、その会社の人たちとも長くよい関係が築けている。特に、いつも親身に応対してくれたTさんとは、深い信頼関係ができていた。その会社は外資系で、日本に進出して数年は苦戦していたが、Tさんが入社した頃から経営が軌道に乗り始めた。その頃の支社長を中心に、取引先対応最前線で責任者を務めていたTさんの貢献が功を奏したのである。ところが、やがて、本社の体制が変わると、日本支社の体制も一変し、Mさんは、かつての良き時代とのあまりの違いに、とまどうようになってしまった。あれほど会社に貢献したTさんも、今は名ばかりの嘱託社員で冷遇されているようだ。同じアロマオイルを使ってきた仲間内でも、動揺が広がっている。会社に残った古くからの社員と交流があり、昔のTさんのこともよく知るMさんは、この状況に心を痛め、とりわけTさんの立場の改善に役立てるなら、わずかでも力になりたいと思っている。自分にできることは何か、タロットを展開することにした。

　　　　　M・Mさん　40代　東京

(1)現状

現状

①現状に出たのは「女帝」である。Mさんは、自分であると思った。ゆったりと満足気に座っているのは、きっと、良質なアロマオイルに出会い、その恩恵を人と分かち合うことができているからだ。オイルを通じて良き人間関係に恵まれた喜びを感じている。正社員時代のTさんもその一人で、言葉でいいあらわせないほどお世話になった。だから、冷遇されているTさんのためにできることがあれば、ぜひ役立ちたいと願っている。カードは正立なので、今のMさんの心境を後押ししていることがわかる。

(2)経緯

経緯	現状

②経緯は「隠者」が出た。Tさんである。Tさんは年齢的にも60代後半で、会社の体制が一変した際に、責任感からぎりぎりまで、体制一変の衝撃を和らげるために奔走し、その後、退職（引退）した。それから、紆余曲折を経て、再び、嘱託として会社に関わることになった。このカードから、もはや会社の表舞台ではなく片隅に退くような存在になっても、Tさんは、在籍した会社に関心を寄せ、見守ってくれていることが窺われる。

(3)展望

経緯	現状	展望

③展望は「正義」である。まっすぐ前を見つめる視線からは厳しさが感じられる。天秤にも目をやったMさんは、Tさんのことなど気になっていることを、きちんと受け留めてくれる人に相談するなら、道が開けるのではないかと思った。ともかくも、何もしないよりは、自分なりに行動することが大切だ。

(4)

(4)	経緯	現状	展望

④「隠者」の注目カードは「宙吊り」Rとなった。社内の硬直した状態があらわれている。社内体制ががらりと変わり、社員も新人が多いので、業務内容が理解できていなかったり、アロマオイルのことなど仕事に必要な知識が不足していたり、社内での連繫ができていなかったりで、ぎくしゃくしているのだろう。Tさんはそうした状況を心配そうに見ているが、自分自身、冷遇された立場にいて、権限も与えられていないので、見守ることしかできないでいるようだ。

(5)

(4)	経緯	現状	展望


(5)

⑤「宙吊り」Rの対策カードは「運命の輪」である。Mさんは、硬直した絵柄の「宙吊り」Rと対照的に、動きがあることに気づいた。ここでも、Mさんは、じっとしているのではなく、自分から働きかけることの大切さを感じた。Mさんの目には、ひときわ剣を持つスフィンクスが目立って見えた。スフィンクスは、会社の中で何かしらの権限を持つ人のことではないかと思った。そして、一人ぴったりの人が思い浮かんだ。すると、今度は、黄色の犬が、自分に見えてきた。そうだ、その人に、自分が日頃感じていることを率直に話してみよう。その人なら、聞く耳を持ってくださるに違いない。

アドバイスカードは「審判」。右側の人物が、天使に向かって何かを伝えようとしているように見える。他にも人が描かれているので、きっとMさんと同じようにモヤモヤを感じている人々がいるのだろう。モヤモヤした部分を改善していくために、まず「運命の輪」のスフィンクスに当たる人に、問題提起をしてみようと心を決めた。

前回のケーススタディ

（第201回～最新号）

（第82回～第200回）

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