Q
Sさんは、最近、引っ越しをした。職場が近くなり、便利になったが、引っ越しに伴う臨時出費に加え、新しい環境での生活に何かと物入りな日々を送っている。Sさんは、もともと何事にも堅実な性格で、子どもの頃はもらったお小遣いやお年玉などもできるだけ貯金することを習慣づけていたので、大人になって一人暮らしを始めてから、自分のお金の使い方を気にすることが多くなった。そのため、健康に良い食品を購入したり、たまに気に入った店で外食したりしても、心から楽しめず、心のどこかで、もっと節約を心がけ、将来に備えて蓄えるようにしなければいけないのではないかと考えてしまう。とりわけ、引っ越しして間もないこのごろは、こうした思いが強く働いている。せっかく引っ越しをして心機一転したのだから、もう少し気持ちよくお金と関わっていきたい。そのためにどんな工夫をしていけばよいのか、タロットに聞くことにした。
Y・Sさん 30代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状に出たのは「教皇」Rである。Sさんは、非常に保守的な教皇の指示のもとで忠実に付き従う人の姿を見て、まるで自分のようだと思った。人生のさまざまな局面で、冒険したり思い切り楽しむより、無難で堅実な道を行こうとする自分。当然、お金のことも、ちゃんとしているかが気になる。こうしたお金に対する姿勢は、基本的にはいいことなのだろうけれど、カードは逆向きで出ている。どうやら、自分の考え方が硬直してしまっているようだ。このままでは、前を向けない。何とかしなければならないと痛感した。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「審判」R。逆向きの空色の人物に目を留めたSさんは、狭く重苦しい考えから脱出できない自分のことを言われているように感じた。逆向きはショックではあるけれど、心当たりがあるSさんは、納得するものがあった。
(3)展望
③展望は「愚者」Rが出た。引っ越しを機に、意気揚々と新生活を始めるつもりでいたのに、このままでは、気持ちがどんどん守りの態勢に入り、消極的になってしまいそうだ。夢や楽しみがない日々を過ごしては、本当につまらないと思った。
(4)
④「教皇」Rの対策カードには「星」が出た。Sさんは、カードの人物が、壺から惜しげもなく注いでいる姿を見て、自分も、時にはおおらかになって、こうしたお金の使い方をしてもよいのだ、というよりしたほうがよいと感じた。将来への不安から、いつも金銭の心配が引っかかっていると、心の余裕やおおらかさまで失われてしまいそうだ。心の在り方はやがて現実に滲み出て、何かにつけ、せせこましくなってしまうかもしれない。やはり、まず、気持を大きく持ち、自分にお金を使うことを認めることも大切と気づいた。
(5)
⑤「審判」Rの対策カードは「13」。Sさんは、大きな鎌に目を遣って、自分の心の在り方や行動を変えるなら、引っ越しをして、新しい環境になった時が一番のチャンスであると思った。
(6)
⑥「愚者」Rの対策カードは「太陽」が出た。Sさんは、カードを開けるなり、まず、燦々と輝く太陽の下で、手を取り合う2人の子供の姿に注目した。この2人は、おおらかにお金を使う自分と堅実に締める自分かもしれない。自分に必要なのは、両方を認めること、共存・統合させることなのだろう。それができるようになれば、明るい気持ちではつらつと日々を過ごせそうだ。
アドバイスカードは「女帝」。未来志向で、計画を立てたり設計したりすることが得意な人物だ。この女帝のように、例えば、「外食の回数や自由に使う金額の上限などを事前に決め、その範囲であれば自分に許可を出す」といったことなら、すぐにでも実行できそうに思った。とにかく女帝になったつもりで、やってみることにした。
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