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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第407回 洋服の整理を機に、自分に必要なことは何かを考えたい。

  Q

Kさんは、現在一人暮らしである。夫が先立ち、子供も独立して、一人暮らしには広いのだろうが、長年住み慣れ、思い出が一杯詰まった家なので、ずっと気に入って暮らしている。Kさんは、若いころからおしゃれ好きで、洋服からアクセサリー、バッグ、靴にいたるまで、ずいぶんコーディネートを楽しんできた。年齢とともに、使わなくなったものは整理してきたつもりであるが、部屋を見渡すと、洋服は増え続けている。広い空間があったはずなのに・・・。このままでは精神的にもよくないと思い始めたKさんは、「増えすぎた服を少しは整理しなければ、それに日々の過ごし方も見直す必要があるのではないか」と考えるようになった。そこで、この状況を改善するために、タロットを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                              I・Kさん 60代 東京

 

A

(1)現状
  現状
①現状には、「悪魔」Rが出た。Kさんは、カードを見るなり、洋服に魅了され、囚われている自分のことだと、すぐにわかった。うすうす自分で気付いていたことではあったが、実際にカードを展開したことで、Kさんは、自分の現状を知らされた思いがした。カードは逆向き。やはり問題なのだ。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯に出たのは「月」Rである。水面に浮上してきたザリガニに目を留めたKさんは、このカードにも、思い当たることがあった。Kさんの心の中には、これまでの家族の思い出がたくさんある。成長した子どもの独立は、寂しくても受け入れやすいが、夫が先立ってしまったことの寂しさは、容易に整理はつかない。何かの拍子に心の奥から湧き出る気持ちや思い出は、心に波紋を生じさせ、平静でいられなくなることもある。そんな時、洋服を買うことで紛らわせてきたように思う。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望も「女帝」が逆向きである。美しく装うことが好きで、装いに関心が強い女帝は、まさにKさん自身。逆向きになった女帝の視線は、「悪魔」Rに向けられていることから、Kさんは、自分の心の問題は、自分を魅了するもので代償させることはできないのだと痛感した。どんなに素敵で、心が癒され満たされたと思っても、やはり現世的なものの満足は、刹那的である。実際、部屋の中を見回してみると、購入したのに一度も着ていない洋服や、一度着だけでそのままの洋服もけっこうある。

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   経緯    現状    展望
     (4)
④「悪魔」Rの対策カードは「斎宮」で、この人物からは精神的な世界に関心を向ける人、心の世界を勉強する人が浮かび上がる。Kさんは、現在、タロットの勉強中であるが、「斎宮」にぴったりだ。もともとタロットに興味はなかったのに、ある時、ふっと思い立って始めたことに、自分のことながら不思議だった。でも、心のどこかで、内面の充実を求めていたのかもしれない。Kさんは、「斎宮」を見て、タロットに向き合う時間を、これまで以上に大切にしようと思った。

(5)
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⑤「斎宮」の注目カード兼「月」Rの対策カードは、「宙吊り」である。内省的で静かに瞑想している人の姿で、「斎宮」と「宙吊り」は親縁部分が多い。この人物の表情はにこやかで、内面の充実が滲み出ている。「月」Rに見られる心のざわつき、思い出が引き起こす感情のさざ波を静めるには、まず、内面を整え満たしていくことから始めるのがよいとわかる。

(6)
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      (5)       (4)      (6)
⑥「女帝」Rの対策カードは「皇帝」となった。Kさんは、「現実をしっかり見なさい!現実的な手を打ちなさい!」と言われているように感じられた。「皇帝」の視線は「斎宮」に向けられ、さらに「宙吊り」へと続いているので、精神的な学びや、瞑想などの実践を通じて、自分の心を充実させることが、今の自分には必要であると、心の整理がついた。

アドバイスカードは「節制」で、天使は二つの壺を巧みに操っている。Kさんは、まず、自分の心の充実を図りながら、徐々に洋服の整理にも手を付けて行こうと気持ちが固まって来た。心が充実すれば、物の整理もスムーズになるに違いない。また、絵柄から、洋服の整理は、廃棄処分ではなく、有効活用先を探すのがよいと、ヒントを得て、すっきりした。

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