イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

Q

Tさんは、数年前に大病をし、自宅で静養しながら、体の回復に努めてきた。病気を機に仕事を辞めたため、復職するという選択肢はなく、そろそろ動き出そうかなと思っていた矢先に、今度は、コロナ禍に見舞われた。ただでさえ社会から隔離されたような孤独感、焦りや不安が強かったのに、更に家に籠る生活を余儀なくされたことで、これらの思いが一層大きくなってしまった。Ｔさんは、早くこの状況から抜け出したい、仕事を見つけて社会復帰をしたいと思うが、病気前と同じ条件では働けないこともあり、今の自分に向いていそうな職種が何も浮かばない。そこでヒントを得るため、カードに尋ねてみることにした。

                                                                                                                                                                                                                         　　　　　　Ｎ・Ｔさん　50代　東京

 

A

(1)現状

現状

①現状には、「世界」Ｒが出た。Ｔさんは、中央の人物は、多少の不具合を残す程度までに体も回復し、社会復帰をしようと考えている自分であると思った。カードは逆向きで出てしまったが、カードを見ていて、Ｔさんは、はっとすることがあった。身体の状況を考慮して、今の自分に向いている職種を尋ねたが、その前に、クリアしないといけない問題があると教えられたような気がしたのである。カードから聞こえたのはこんな声だった。「心が伴わないと、自分に向いていると思えるものに出会うのは難しい。自分に向いているというのは、心が伴ってこそのものだ。それがわかっていれば仕事探しは苦労しない。わかっていないから、肝心な部分を無視して事を進めようとする、だから浮かばないし、見つからないのだ」。Ｔさんは、「カードに痛いところを突かれた」と思った。

(2)経緯

経緯	現状

②経緯は「恋人」Rである。今まで、Tさんは、社会から遠ざかっていた期間の長さや年齢、何より身体的な条件など、自分の抱えているマイナス要素をカバーできそうな資格を取って、選択の幅を広げたり、友人から情報をもらったりと、できることをいろいろやってきた。でもそれは表層的な部分での手段であって、自分が向き合うべき真の問題から目を逸らして行ってきた行動だったと、カードの逆向きを見て反省した。

(3)展望

経緯	現状	展望

③展望に出た「太陽」も逆向きである。Tさんは、改めて、表層的な部分で解決しようとするやり方は、心をなおざりにしている、自分に向いていると思えるものを求めるなら、まず自分の心に向き合わないと駄目であることを指摘された思いであった。表層的な部分で解決するやり方はまさしく経緯の「恋人」Rである。それは違うと薄々わかっていても、じっくりと自分の本心を探ることができなかった自分。カードが逆向きで出たのは当然であると思えた。でも、自分に向き合うことの大切さに気付けたのだから、これを機に、自分を変えていきたい。そして、自分に向いている仕事に出会いたい。どうすれば太陽のカードが正位置になれるのか、対策のカードへの期待が高まった。

(4)

経緯	現状	展望
	(4)

④「世界」Rの対策カードは「月」となった。Tさんは、月の奥から放たれる光芒に注目した。「月」は絵柄全体が薄暗いので、どうしても、身も心も縮こまってポジティブな態度が持てない自分、自己受容を拒否している自分に見えてしまうが、対策カードとして出ているので、この月が隠す太陽を望むのなら、自分の月の部分に働き掛けをすることが必要なのだと感じた。

(5)

経緯	現状	展望
(5)	(4)

⑤「恋人」Rの対策カードは「愚者」である。Tさんは、カードを見るなり、愚者のような人であれば、自分が「恋人」Rでやってきたことは、きっとしないだろうと思った。愚者は、先を信じて前を向き、のびのびと歩んでいる。性格的に、ポジティブな感情を反射的に抑え込む癖があるTさんは、愚者から、「自分のようにのんびり行きなさいよ」と言われた気がした。こんなささやかな気づきであるが、ともかく気づけたのだから、心が動いたサインに違いない、もっと自分のことを肯定していけばいいと思った。

(6)

経緯	現状	展望
(5)	(4)	(6)

⑥「太陽」Rの対策カード「仕事師」は、テーブルの上にある素材や形の違うアイテムをあれこれと手にしながら、別なものに興味を見せているように見える。Ｔさんは、仕事師のように、何でもいいから、まずは試してみて、違うと思えば次に行く、このフットワークの軽さにはっとした。これを繰り返しやっていけば、自分にぴったりのものに出会うことができると思った。対策カード「仕事師」が「月」に注目する展開となったが、否定的な思いにとらわれた自分の心を解きほぐし、積極性を持てるようにするには、仕事師のように、軽いフットワークを持つことだと思い至った。

アドバイスカードは「斎宮」である。斎宮は、一人静かに内観しているようだ。本からぱっとあげたその顔は、何かがわかったような、すっきりした表情にみえた。「内面が整うとこうなるのですよ。あなたも内面を整えましょう。」とアドバイスされた気がした。Ｔさんは、もやもやした気持ちが吹っ切れ、気持のよい一歩が踏み出せるように思った。内面が整えば、自分にぴったりの職種も見つけられると確信できた。

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