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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第433回 猛暑で体力が落ちた夫の世話と自分の仕事を両立させたい。

Q

Uさんは、元気なうちはできるだけ長く働きたいと思って、60代後半の今も仕事をしている。現役時代に比べると、働く時間は半分ほどであるが、好きなことを仕事にしていることもあって、今では働けることのありがたさをしみじみ感じている。Uさんの夫は70代後半で、趣味を楽しむ生活をしていたが、駅で転んで足を痛めてから家の中で過ごすことが多くなり、外出が少なくなった。それなりに元気だったが、今夏の異常な暑さから、散歩のタイミングを逃したり、よく眠れなかったりするうちに、体力、とりわけ脚力の衰えが目立つようになってきた。Uさんは、そばで見ていて、時々心配になる。涼しくなれば元気を回復できるのかもしれないが、このままどんどん衰えが進んでしまうかもしれない。Uさんは、漠然とした重苦しさを感じ始めている。この状況にどんな心構えで向き合っていくのが良いか、タロットに相談することにした。

                                                                                                                                                                                                                           S・Uさん 60代 東京

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは「隠者」である。Uさんは、分厚いマントを着て、杖に寄りかかっている姿を見て、まるで夫のようだと思った。夫は足を痛めてから体力が衰えたせいか、寒がりになった。高めに温度設定をしていても、冷房の寒さを訴えることが多い。また、痛めた足の不具合を、今もずっと引きずっているので、家の中でも支えを必要としている。カードの正立が示す通り、衰えながらも頑張ろうとしているようだ。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「宙吊り」である。「隠者」の視線の先に位置しているので、Uさん自身であろう。Uさんは、最近を振り返って、夫の体調が不安定で考えさせられることが多くなったと思う。ついこの間まで行動力があり元気だった夫が、転倒を機に体のあちこちに不具合が出てきている。夫本人も自分の変化にとまどっているようであるが、支え手となるUさんにとっては、夫が考えている以上に重い問題に感じられる。「自分の仕事は続けていきたいし、今後の生活を考えても仕事することは必要、きっと方法があるはず、でも何から始めればいいの」と、Uさんの心の中では、さまざまな思いが駆け巡るのである。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望は「愚者」Rで、Uさんは愚者の顔の向き(視線)に目を留めた。正立であれば、遠い彼方を見つめる視線であるが、逆向きであることから、あまり先々のことまで考えすぎて悲観的になってはいけないと言われたような気がした。図星だと思った。落ち着いて対応すれば何とかなることでも、これまで経験したことのない事態に直面すると、どうしても否定的なことを想像してしまいがちだから。

(4)
    経緯     現状    展望
 
      (4)
④「愚者」Rの対策カードは「神の家」である。Uさんは、足元を見る人物に注目した。遠くを見る愚者と対照的な絵柄を見て、これからのことを漠然と不安に思うのではなく、今すべきこと、目前のことに集中していくことの大切さを感じた。確かに、丁寧にしっかり向き合って実行する結果が今後を作ってくれる。これを心がけるなら、現実がしっかり見え、困ったときに相談できる人が実は身近にいることにも気づけそうだ。地元のシルバーサポートセンターへの相談も選択肢の一つと考えればいい。

アドバイスカードは「世界」。Uさんは、自分を温かく見守る人々の存在を強く感じた。夫の不調で懸念があれば、一人で抱え込まず、助言を求めよう。タロットの絵柄を見ているいうちに心が安らぎ、きっと首尾よく乗り越えられると思えてきた。タロットに相談して本当に良かった。

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