Q
区画整理により、住んでいた実家の土地が道路になるので、家を壊し更地にしなければならない。今はしていないが、この土地で、父母が塾を50年続けていたので、自宅を含め、教室等3棟を壊す事になる。区画整理の資料に目を通すと、話し合いの日付けが、1995年となっていて、およそ30年近く経って、やっと我が家の番になった。亡くなった父の代からの区画整理、母は80代半ば、今は施設に入っているので、東京に住んでいる、一人っ子のTさんが中心となってやり遂げなければならない。これから実家をどうするかを含めてどのように進めていけば良いか、タロットの助言を仰ぐことにした。
S・Tさん 50代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状に出たのは「運命の輪」である。Tさんは輪の上にいるスフィンクスに注目した。父の代から出ていた区画整理の順番が、いよいよTさんの実家に巡ってきた。すでに父は亡くなり、母も高齢で施設にいるのだから、一人っ子の自分がやり遂げるしかないことである。Tさんは、スフィンクスと自分を重ね合わせながら、「役所の担当者とやり取りして区画整理を進める一方で、施設にいる母に進捗状況を報告することは、大変な労力を要すること。でも今なら頑張れそうな自分がいる。今やらなくてどうする! 実家の問題が一人っ子の自分にかかってくるのは不可避のこと。いい加減にすれば、きっと後になって困るに違いない。せっかくのタイミングを外してはいけない」と、心を奮い立たせた。カードは正立なので、面倒なことから逃げずこの流れに乗れば、スムーズに進んでいくと思えた。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「教皇」。Tさんには、市の担当者と母と自分の話し合いの場面に見えた。これまで、何回も話し合いを重ねる中で、Tさんの実家では、何事も母が最終決定権を持ち、母の同意を得ないと事が進まないことを、市の担当者に理解してもらうことができた。市の担当者がその理解を踏まえて話し合いに臨んでくれるようになったおかげで、Tさんはずいぶん助かっている。まさに絵柄の通りである。
(3)展望
③展望には「月」が逆向きで出た。Tさんには絵柄の言わんとすることが分かる気がした。区画整理後には、新しく小さい家を建てる予定でいるが、どんな家を建てるのか、またそれらに必要な経費の賄い方など、母と話し合っていない。実家の所有者は母で、区画整理に関わる一切の費用は、母の口座を利用するので、母との意思疎通が欠かせないが、気の強い母とうまくやっていけるだろうか・・・と考えると、暗い気持ちになってしまうのである。
(4)
④「月」Rの対策カードは「女帝」となった。Tさんは、もっと自分に自信を持ちなさいと言われた気がした。これまで強い母との関係にはずいぶん苦労してきたが、弱ってきた母の世話をする中で、母はずいぶん優しくなった。Tさんを信頼し任せてくれることも多くなったが、Tさんは、昔の関係を引きずっているので、「あの母が・・・?」と思ってしまうのである。でも、「女帝」が出たことで、母の代行というよりは当事者意識を持って進めていけばいいのだと背中を押してもらった。
(5)
⑤「女帝」の注目カード「審判」では、天使が20年以上前に亡くなった父に見えた。父は、若くして亡くなった兄が行っていた塾を引き継いだ。末っ子でありながら引き継ぐことに葛藤もあったようだが、引き継ぐと決めてからは心血を注ぎ、事業として成功させた。区画整理の話も父の存命中から出ていたが、残念ながら父は病気で亡くなり、巡り巡って娘の代になって実施となった。父が頑張って購入した土地に、家を建て替え、娘の代は始まろうとしている。Tさんは、父の見守りや応援を強く感じた。一人っ子の自分が四苦八苦してやっているわけではないと気づいたら、区画整理にかけていた父の思いを汲み取り、応えていくことが大切であると思えてきた。
アドバイスカードは「力」である。Tさんは、「力」の少女のように、自分に求められる役割をしっかり果たしていこうと心が決まった。区画整理は、父や先祖の思いがたくさん詰まっているので、まず、心の中でその思いを受け止めること、外野からの意見を聞きすぎて振り回されることのないようにしたいと思った。
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