Q
Sさんの夫は、昨年夏の猛暑で体調を崩し、その時の転倒が原因で足を痛めた。足が腫れ上がり、しばらく痛みが引かなかったこともあって、一気に体力が落ちてしまった。それ以降、杖を必要とするようになり、たまに散歩に出ても、すぐに疲れたと言って、家に引き返す日々が続いている。しかし、春が近づくにつれて、新聞や雑誌にお花見や旅行の広告が多くなると、夫も熱心に見ては、Sさんに「〇〇の桜を見に行こう!」とか「しばらくどこへも行っていないから、〇〇に行きたい!」と言ってくる。Sさんは、夫の提案に賛成するものの、杖が必要な夫の今の体力や歩き方、観光地の人込みを考えると、実際に行くのは、現実的でないと思う。しかし一方で、今後、体力の回復にどれくらい時間がかかるのか、またどれくらい回復するかは見通せないので、先送りしても、夫の希望を叶えるのは難しいのではないかとも思う。どうしたらよいか、タロットに助言を求めることにした。
N・Sさん 60代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状には「力」Rが出た。Sさんは、ライオンにてこずる少女を見て、まさに今の自分であると思った。夫は、体力が衰え歩くのに杖が必要な自分の現状を楽観的に考え、旅行に行く気満々でいる。そんな夫の気持ちを理解しながらも、夫の実情は夫の思いとかけ離れていることをSさんは知っている。その証拠に、夫は散歩に出てもすぐに疲れて、戻ると言い出す。この現実にどう向き合うとよいのか? 何ができるのか? Sさんは考えあぐねている。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「13」正立である。Sさんは、カードを見て、この人物は夫であると思った。夫は昨年の夏の体調悪化・転倒以来、ずいぶん体力が衰えてしまった。体はがたが来ているのに、
夫にはその自覚がないのか、楽天的な性格ゆえに大丈夫だと思うのか、とにかくSさんが驚くほど、夫の気持ちは前を向いている。
(3)展望
③展望に出たのは「正義」R。Sさんは、絵柄を見て、やはり夫が希望するような旅行は現実的でなく難しいと痛感した。また、70代の半ばになる夫の年齢を考えると、先延ばしも現実的でないように思えた。
(4)
④「力」Rの対策カードは「女帝」で、この人物はSさんである。Sさんは、カードを見ているうちに、まず「これなら大丈夫!」と思える旅行プランを自分なりに考え、その上で具体案を夫に提案してみてはどうかと思いついた。道中、サポート役を担うことになるSさんの見込みが立つなら、Sさんも気持ちが楽になる。夫が賛同してくれれば、お互いに楽しい旅ができそうである。
(5)
⑤「女帝」の注目カード兼「正義」Rの対策カードは「隠者」となった。杖が必要な夫である。Sさんの方を見つめ、頼りにしているように見える。杖でも無理のない行程で、心が満足できる旅であれば、自分で言い出した希望と違うことは問題でなくなるに違いない。
アドバイスカードは「運命の輪」。Sさんは回る輪を見て、刻々と過ぎゆく時の流れを痛感した。実行のタイミングを逸しないことが大切であると思った。特に、旅行は、旅先によって適した時期があり、旅行者にとっても、年齢や体調などを考慮すると、いつでもできるわけではないので、早速、旅行プランを練ってみることにした。
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