Q
一人息子が高校生になった。今までは、親と行動を共にすることが多かったが、最近は一緒に過ごすことも減り、会話することも減ってきた。そこで親子の関係性を見直そうと思い、どのような関係性を築き、思春期の子供との距離感をどのように測ればよいか、タロットにアドバイスを求めた。
S・Kさん 40代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状に出たのは「運命の輪」であった。Kさんは、カードを見るなり、今まさに、これまでの親子関係が転換期にきていることをあらわしていると思った。同時に、ようやく息子の時間が動き始めたことが感じられ、嬉しい気持ちにもなった。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯は「戦車」。Kさんは、これまで孤軍奮闘して頑張り続けてきた息子の姿そのものだと思った。息子は、自分の歩んできた道を振り返りながら、誇らしげに見える。Kさんは、絵柄を見ているうちに、息子の中学時代の出来事が次々に脳裡に浮かんできた。
息子の中学3年間は低迷したまま停滞し続けた。中学受験をして入学した学校だったが、学校や先生から求められる「普通のレベル」が高かった。息子は、物事を理解してこなしていくペースがとてもゆっくりで、時間がかかった。周囲の級友が普通にできることが、息子は頑張ってもできない・・・。毎日の学校生活についていくのがやっとで、勉強にまで手が回らず、先生に叱責され、友達から馬鹿にされることもあった。そのことが息子を委縮させ、委縮するから更にできなくなるという悪循環が続き、心は疲弊し、自信をなくしていく日々を過ごしていた。小学校までは、ありのままを受け入れてくれる祖父母がそばにいて、友達にも恵まれ、息子にとっては天国のような環境だったので、中学入学と同時に家を引っ越し、学校生活になじめなかったことは、本当につらかったに違いない。でも、そんな中、息子は諦めることなく、腐らず少しずつ自分の場所を作っていった。そして、卒業式では、息子はたくさんの友達に囲まれ満面の笑みを浮かべていた。部活動も3年間続け、最後に顧問からお褒めの言葉もいただいていた。思い出すと、よくぞ頑張ったと、胸が熱くなる。
(3)展望
③展望は「力」Rである。Kさんはカードを見て、親がむやみに手助けしないようにしなければと思った。息子は中学時代に頑張り、さまざまな困難を乗り越えたのだ。これからは息子の手を離し、見守る姿勢が大切であるに違いない。
(4)
④「戦車」の注目カードは「恋人」が出た。絵柄にある3人の人物は自分たち家族である。Kさんは、これまで、家族一丸となって向き合った日々をよくあらわしていると思った。仕事が忙しい夫も積極的に関わってくれ、学校についても、転校も含めていろいろな選択肢を息子に提示して話し合いを重ねてきたことが思い出される。Kさんは、正立カードを見ながら、息子の一大事に、家族一丸で向き合って本当に良かったと喜びをかみしめた。
(5)
⑤「力」Rの対策カードは「太陽」となった。太陽が真っ先に、Kさんの目に入ってきた。明るく大きな太陽。光が燦燦と降り注ぐ様子は、息子の高校生活を物語っているようだ。実際、最近は学校を楽しんでいる様子を見せているし、何よりも息子から気力を感じるようになった。「あなたはもう大丈夫!」と見守り、背中を押してあげるだけでいいのだと思えてきた。
アドバイスカードは「恋人」で、展開カードにも出たカードである。今後も迷ったり、悩んだりした時には、家族で向き合って話し合っていけばいい。その時には息子から話しかけてくるだろう。それまで余計な手出し口出しはせず、出しゃばることなく見守っていようと、Kさんは肝に銘じた。タロットのメッセージに心から納得し、晴れやかで清々しい気持ちになった。このタイミングでタロットを展開して本当に良かったと思った。
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