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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第452回 今夏は主人の母のお墓参りに行った方がいいように思うが。

Q

青森に住んでいた主人の母が亡くなって4年半近く経った。その間、コロナ禍に加えて、Kさんは、自分の母親の入院や、自分も脚を怪我して歩けないなどの事情が重なって、まったく身動きが取れなかった。今年はやっと状況が落ち着き、心にも余裕が出てきた。すると、主人の母が存命中は、毎年お正月に必ず行っていたのに、主人の母のお葬式以来、青森の家に行っていないことが気になってきた。秋に身内の結婚式があるので、親族同士の親交を深めることはできるが、やはりお盆の時期に、遠方であっても主人の母のお墓参りに行った方がよいのではとの思いが消えない。Kさんは、タロットに助言を仰ぐことにした。

                                                                                                                                                                                                                               E・Kさん 50代 東京

 

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは、「女帝」Rである。Kさんは、逆向きになった女帝の視線から、主人の母のお葬式以来、青森に行っていないことやお墓参りができていないことを気にしている自分を見る思いがした。そして、これまでのいろいろな場面が思い出された。Kさんの主人が生まれ育った地域は、親戚付き合いが密で、お正月などは30人以上集まり、とても賑やかだった。そんな中、Kさんは一番年下の嫁だったため、ひたすら台所で洗い物をしていた。Kさんとしては、できる限り献身したつもりであったが、方言も全くわからず、とまどうことが多すぎたせいか、義兄や義姉には「至らぬ嫁、母を大切にしない嫁」と思われていたようだ。きっとそのわだかまりをずっと引きずっていたことも、足が遠のいてしまった理由の1つにあると思った。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「月」Rで、Kさんにはピンとくることがあった。80代で生まれて初めて入院することになった自分の母のことである。Kさんの母は自立心の強い人で、夫亡き後、ずっと一人暮らしだった。人様の世話になることが嫌いで、病院にもその後お世話になった施設にも、なかなか馴染めず、毎日何回もKさんに帰りたいコールをしてきた。Kさんはどうすることもできず、病院や施設からクレームが来るのではないかと気が休まらなかった。また母が住んでいた実家が空き家状態になったことへの対応にも大変苦労した。まさに「月」Rの絵柄のような日々を過ごしてきたと実感する。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望は「運命の輪」が出た。カードを見るなり、Kさんは好機到来であると思った。これまでは主人の仕事が忙しく、青森の主人の家に行ったのは、寒いお正月のみで、夏に行ったことはなかった。夏のお墓参りであれば、雪掻きをしなくてもいいし、ねぶた祭を見に行くこともできる。Kさんの母はお墓参りをとても大切にしていた人で、つい先日の電話でも、ふとKさんに「夫のお母さんのお墓参りはちゃんとしなさいね。」と言ってくれた。お墓参りをする母の姿が目に焼き付いているKさんは、母のひと言も後押しになり、やはりこのタイミングを大事にしたほうがよいと思った。

(4)
   経緯    現状    展望
 
    (4)
④「女帝」Rの対策カードは「力」である。Kさんは、「力」の少女から、「いつまでもめそめそしていてはいけません。克服する力が自分の中にあることに気づきなさい。その力を発揮すれば、もっとはつらつと自分らしい生き方ができるのですよ」と、熱い激励を感じ取った。心の深くにまで響く迫力があり、Kさんは、「本当にその通り。心を落ち着けて本来の自分を取り戻し、もっと未来志向の考え方をしていこう」と思えてきた。なんだか勇気が湧いてきた。

(5)
   経緯    現状    展望
   
    (4)    (5)
⑤「力」の注目カードは「世界」で、たくさんの親戚が集まり、仲良く交流している姿だ。ねぶた祭りで楽しく踊る姿にも見える。Kさんは、自分が「力」の少女のようになることで、すべてが円満におさまる様子がイメージできた。

(6)
   経緯    現状    展望
     
    (6)    (4)     (5)
⑥「月」Rの対策カードは「太陽」で、これら2枚は絵柄が対照的である。「月」Rの不穏で、波風が立って気が休まらない状況や、先が見通せない陰鬱な状況を解決するのは、「太陽」の絵柄が示すように、ありのままを率直に話せる協力者を求めることや、事態を理解し快く手を差し伸べてくれる人の助けを得ていくことなのだろう。これまで、問題にぶつかったときに心がけてきたことであるが、施設にいる母の問題も実家の家の問題も、ひとりっ子の自分にできることは限られているのだから、ひとりで悶々とせず、「太陽」で解決していこうと肝に銘じた。

アドバイスカードは「隠者」。Kさんは、ランプを掲げる隠者が、亡くなった主人の母に見えた。まるで自分を導いているようだ。Kさんの心の内をすべてお見通しで、「そろそろ青森に来てお墓参りをしてちょうだい。もう大丈夫、あなたが心配することなど何もないから安心して。あなたたち二人が来てくれれば、私が居た時のようににぎやかになるし、きっとみんなでのんびり楽しい時が過ごせるわ。待っているからね」と、優しく語りかけてくれた。Kさんは、そんな主人の母の思いに応えようと心を決めた。(主人に言えば、きっと喜んで大賛成してくれるに違いない。)

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