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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第457回 苦い思い出のある先輩に、仕事の協力を打診したが・・・。

  Q 

Kさんは、今、取り組んでいる学術研究がある。これを進める上で、かねてから気にかけてきた同業の先輩の協力を得られれば、更により充実したものにできると考え、久しぶりに先輩に協力を打診してみた。しかし、先輩には、すんなり了承してもらえなかった。Kさんは、先輩の有能さをよく知るだけに、今後も頼み続けるべきかどうか悩んでいる。先輩とどのように付き合っていくのがよいか、タロットに助言を仰ぐことにした。

                                                                                                                                                                                                                               E・Kさん 40代 静岡

 

A

(1)現状
  現状
①現状に出たのは「審判」である。つい最近、先輩に連絡を取ったときの様子である。Kさんは、空色の蘇った人に目を留め、この人物は先輩であると思った。通常とは肌の色が違うからか、あるいは、後ろ姿で顔の表情が見えないからか、先輩の本心が自分には見えていないように感じた。だからか、掴みどころのない不気味さのようなものすら感じてしまった。そのためか、手を合わせて先輩に協力をお願いする自分(右側の人)の様子が、必死に懇願しているようにも、恐れを感じて思わず手を合わせているようにも見えた。残念ながら、先輩から快諾は得られなかったが、Kさんは、久しぶりに先輩とやり取りしたことで、先輩との間で起きた昔の出来事を思い起こし、過去の自分の言動を振り返るきっかけとなった。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「神の家」で、Kさんは二人の間に起きた衝撃的な出来事をすぐに思い出した。その出来事は約20年も前の昔のことで、その後解決できたつもりでいたので、その時のシーンがすぐ思い出されたこと自体、Kさんにはびっくりだった。 その出来事とは、先輩の頼み事を断わったことがあり、申し訳なさから謝罪の気持ちを込めてお詫びの品と手紙を送ったら、送り返されてきてしまったというものである。Kさんは大ショックだった。しかし、その後10年ほど経って、先輩のある成果発表会に行った際、お祝いの挨拶を申し上げたところ、気持ちの良いやり取りができ、その後はメール交換や食事に一緒に行ったりするまでになっていたので、昔の出来事は解決済みで、良好な関係が築けていると思っていたのである。カードも正立で、レンガがしっかり積み上げっているので、その業界内での関係はできていると言えそうだ。ただ、2人の人物がそれぞれの方向を向いていることから、研究者としてのスタンスには違いがありそうだ。また、尊敬する先輩との関係は、気心の知れた同僚との関係と同じではないので、この関係性の違いが双方の感じ方に影響しているのかもしれない。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望は「運命の輪」R。2匹の動物が不安定な状態で輪にしがみついて回っている。Kさんは、この2匹の在り方が2人の関係をあらわしていることに気づいた。2匹は交わることがないし、カードも逆向きなので、少なくともしばらくは協力を得にくい関係なのだと痛感した。

(4)
   経緯    現状    展望
 
    (4)
④「運命の輪」Rの対策カードは「13」が出た。タロットを展開して初めて、その先輩との間に起きた過去の衝撃的な出来事のショックが深層心理に深く刻まれ、いまだに引きずっている自分に気づいた。この度、Kさんは、自分の学術研究に先輩の協力を思い立ったが、今自分にとって何よりも大切なのは、自分の深層心理の掘り起こしであると思った。今後、よき人間関係の中で、自分の研究生活を充実させていくためにも、自分の深層を整理し、これまでの自分をすっきりさせる必要がある。それができた後に、先輩への協力依頼を考えればよいのだ。

(5)
   経緯    現状    展望
   
      (4)      (5)
⑤「13」の注目カードは「力」。Kさんは蜂が気になり、蜂が象徴する智慧をもっと磨いていこうと思った。智慧を見つめることで、その先輩との関係も過去にとらわれない真に良いものにできると思えたのである。

(6)
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      (4)      (5)       (6)
⑥「力」の注目カードは「恋人」である。Kさんは、複数の人物が描かれていることから、その先輩との関係だけを自分で何とかしようとするよりも、より多くの人たちの輪の中で付き合っていくのがよいと思った。カードの人物は、真ん中が男性なので、同業の男性が橋渡し役になってくれるかもしれない。実際に、心当たりもある。しばらくこうした人間関係を続けていこう。新しい局面ができた時、先輩への協力依頼をどうするかについても、着地点が見えてくるに違いない。

アドバイスカードは「斎宮」。Kさんは、同じ業界の大先輩がすぐに思い浮かんだ。その大先輩は、Kさんを気にかけ、Kさんからの連絡を心待ちにしてくださっているという。大先輩が、この度のKさんと先輩のやり取りに関わることはないが、業界の大御所的存在である大先輩にお目にかかり、和やかなひと時を共有することは、Kさんにとってもよいことと思えた。近々連絡を取ってみることにした。 (後日談:大先輩に連絡を取ったところ、早速夕食会に誘っていただき、大変喜んでいただいたとのこと。Kさんは連絡を取って本当に良かったと思った。これによってすぐに何かが変わったというわけではないが、自分の心の奥(深層)には、今まで考えることのなかった希望の種が蒔かれたような感触があった。)

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