Q
Tさんの母親は、田舎で一人暮らしをしている。田舎では過疎化の問題もあって、買い物も昔に比べて不便になったが、Tさんの母親は苦にすることなく、遠くなった店にも歩いて行っている。歩く距離は増えたが、おかげで健脚になり、90歳の高齢になっても、はつらつと元気に過ごしている。時々帰省して、母親の様子を見に行っているTさんは、今の状況を喜びながらも、これからは一段と高齢になっていくので、いろいろな配慮が必要になるようにも感じている。「母には幸せでいてほしい」と願うTさん、そのために自分にできることは何か、タロットに助言を仰ぐことにした。
T・Tさん 50代 東京
A
(1)現状
現状 |
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①現状には「節制」が正立で出た。Tさんは、節制の天使が2つの壺を持って、水を移し替えている姿を見て、自分が1ヶ月~2ヶ月に一度のペースで帰省し、母の様子を見に行っていることをあらわしていると思った。カードは正立で、水が1滴も零れ落ちることなく行き交っていることから、Tさんは、母が自分の気持ちと行動をしっかり受け取り、気持ちが通じ合っていると感じた。
(2)経緯
経緯 |
現状 |
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②経緯に出たのは「力」である。Tさんから見て、母は獅子のような力強さを持つタイプである。その獅子のような母を手なずけているのが自分である。心の世界を学んできたTさんは、少女が叡智を象徴する蜂をしっかり見て、その叡智を元に自分の心の中にある良心や善意で行動するように心がけてきたが、母に対する時も、この心がけを大切にしてきた。そのおかげか、母もTさんの言うことに耳を傾け、日々の生活に活かしたり、Tさんと良好な関係ができたりしているのかもしれないと思った。
(3)展望
③展望は「恋人」R。Tさんは、すぐにピンときた。自分たち3人の兄弟のことに違いない。皆、成人して実家を離れ、それぞれの人生を送っており、Tさんの姉も兄も仕事が忙しく、心に余裕がないのか、母は元気だからそんなに気にかける必要はないと思っているのか、とにかく兄弟間で話し合いがうまくできていないのである。これまでは、母想いのTさんが、比較的時間の余裕もあったので、母の様子を見に実家に行っていたが、絵柄を見て、このままではいけないと思った。
(4)
④「恋人」Rの対策カードは「13」が出た。Tさんは、兄弟で、しっかり今後の話し合いをする必要性を痛感した。母が元気なうちに、兄弟皆が母の意向をしっかり受け留めた上で、何をどうするのか話し合っておくのがよさそうだ。母は、常々Tさんに、「高齢になっても元気に過ごせているのは、ひとえにご先祖様のおかげ!」と言い、ご先祖へのお勤めに熱心である。Tさんは、兄弟同士の話し合いや団結は、母への孝行であると同時にご先祖への報恩にもつながるように感じた。
(5)
⑤「13」の注目カードは「神の家」である。しっかり積み上がったレンガから、Tさんは家(家系)やお墓の継承を思い浮かべた。誰が引き継ぐのかを話し合い、次の継承に向けて必要な準備が進んでいくのは、母の人生にとってもかけがえのないことであると思われた。
アドバイスカードは「隠者」。Tさんにとってこの人物は、自分たちを導くご先祖様以外に考えられなかった。高齢の母が、ご先祖様と一体となって一日一日を過ごしているので、Tさんもますます「ご先祖の導きや見守り」を強く感じている。ご先祖から「兄弟でよく話し合いなさい。特に、お墓のことはしっかり考えるように!」と助言をいただいた気がする。Tさんは、このことをしっかり実行していこうと思った。
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