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イシス学院は、カバラー、タロット、アストロロジー、アロマテラピーという形で現代に伝わる古代密儀の伝統を学ぶ魂の学校です。

第464回 初志を大切にして、リーディングの修行をしていきたい。

Q

マルセイユ・タロットを学び続けているYさんは、タロットに興味を持ってくれる人にリーディングの修行を始めた。クライアントさんの中には、タロットは気軽にできる占いと思っていた人もいるが、真剣に悩みを解決したいと思って相談にくる人もいて、実にさまざまである。先日は、思い詰めた知り合いが、質問を持ってやってきた。Yさんはリーディングすることの重みを感じながら、こんな人にこそ役立ちたいという思いが、沸々と湧き起こってきた。求道を続けるYさんとしては、クライアントに人生変容のチャンスを提供できるようなリーダーをめざしたい。これを自分のスタンスとして、修行を積んでいくつもりでいるが、これでよいだろうか。タロットにも助言を仰ぎたいと思い、カードを展開することにした。

                                                                                                                                                                                                                            K・Yさん 30代 北海道

A

(1)現状
  現状
①現状には「愚者」が出た。Yさんは、愚者が遠いある一点を見つめて一歩踏み出す姿を見て、まさにリーディングの修行を始めた自分であると思った。今はリーダーの卵であるが、自分のめざすリーダー像を胸に、意気揚々と進みなさいと言われているようだ。Yさんは、自分にぴったりのカードが出たことで、大きな励ましを受け取った。

(2)経緯
  経緯   現状
②経緯は「女帝」で、Yさんは青い目に注目した。Yさんにとって、青い目は何か深淵なものを見つめているように感じられた。これまで精神的な世界、体やエネルギーの世界などさまざまな探求をしてきたので、タロットの勉強も探求者として取り組んできた。リーディングに来てくれたクライアントさんに、こうしたことを伝えることはないが、カードは正立で、女帝の視線は愚者に向けられていることから、Yさんは、これまでの深淵な世界の探求は、リーディングの修行にも大きな力添えになっていることを確信できた。

(3)展望
   経緯    現状    展望
③展望には「運命の輪」が出た。Yさんは、最初に肌色(肉色)の猿に目を留めた。見るからに、お気楽に輪に身を任せ、下るままにしている。物質的なことや世俗のことにしか関心がないようだ。こうしたクライアントさんもいらっしゃる。でも運命の輪が回っていけば、同じクライアントさんが、やがて一生懸命向上しようとする犬になる転機が訪れるかもしれない。人生は一本調子ではなく、回る輪でできているのだから、どんなタイプのクライアントでも、縁を大切に、一期一会の心構えでリーディングに臨むことを自分のスタンスとしていけばいいのだと、Yさんは心底納得できた。

アドバイスカードは「13」。Yさんは背骨に注目して、自分の中の軸を大切に、ぶれないようにしようと思った。背骨は麦の穂のような形状であらわされているから、こうしてタロット・リーディングに取り組んでいくなら、人間的にも霊的にも大きく変わり、自分の内面に豊かな実りをもたらしてくれるに違いない。きっと安易ではない分、張り合いのある修行になるだろう。

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