Q. Nさんのご主人は福島県の出身である。Nさん家族は、ご主人の仕事の関係で都心に住んでいるが、ご主人の両親は、ずっと福島で田舎暮らしをしている。最近、78歳になる義父が、息子であるNさんのご主人に、伊勢神宮に連れて行ってほしいと言ってきた。高齢の義父は、体にいくつか不調を抱えている。日常生活に支障はないが、病院で出される何種類もの薬を飲み続けており、体力的に衰えてきているので、車で連れて行ってほしがっている。今年は式年遷宮の年。20年に一度の、このおめでたい時期に、義父はぜひお参りしたいのだ。息子であるご主人も、二つ返事で了解した。ご主人は楽観的に考えているが、Nさんは不安である。伊勢までの長距離運転は大丈夫か、義父の体調はどうか、と心配し始めるときりがない。そこで、タロットに助言を求めることにした。
(A・Nさん 50代 神奈川)
A.(1)
現状 |
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現状の「愚者」Rを見て、Nさんには誰のことかすぐ分かった。何かあると、いつも大丈夫と言うご主人である。大丈夫でない時も楽観的過ぎて失敗することも多いので、Nさんは逆向きに出たカードを見て、いつもながら課題は同じだと納得する。
(2)
経緯 |
現状 |
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「愚者」Rを心配そうに見つめる経緯の「節制」RはNさんである。運転手はご主人一人。車で行くとなると、福島に両親を迎えに行って神奈川の家に連れて来るのも、伊勢神宮まで往復するのも、すべてご主人がすることになる。宿泊しながらとはいえ、かなりの長時間運転になるので、Nさんはご主人にかかる負担が気がかりだ。また、義父は前立腺肥大の問題も抱えているので、道中のトイレ対策も心配の種になっている。
(3)
「愚者」Rを背後から頼るように見つめる展望の「教皇」Rは義父に違いない。体力も衰え、薬を飲みながら何とかやり過ごしている義父にとって、どこかに旅行することはしんどい。でも、伊勢神宮だけは別だ。精神的に深くつながる伊勢にお参りに行きたい。しかも、今年は20年に一度の式年遷宮の年である。次の遷宮は考えられない。老いた義父にとって、新幹線など公共の乗り物での移動はかえって危ない。「教皇」Rからは、無理を承知で、息子に頼む義父の気持ちが読み取れる。
(4)
「愚者」Rの対策カードは「悪魔」で、絵柄からは、俺に任せておけと言わんばかりのご主人と、ご主人に安心して身を任せ、満足している義父母の姿が浮かび上がる。対策カードとして出ているので、こうなるように取り計らってあげるとよいことが分かる。
(5)
「節制」Rの対策カード「女帝」はNさんである。「女帝」はおろおろせず、どっしり構えている。Nさんは、過去の失敗などを思い出して不安に駆られるより、「女帝」のように、ゆったりと構えて、ご主人と義父母の間がうまくいくのを見守ってあげればよい。嫁の立場を守りつつ、道中、みんなが元気に楽しく過ごせるよう万全の準備をし、率先して気配りする心のゆとりを持つとよい。
(6)
「教皇」Rの対策カードは「隠者」となった。これも義父だろうか。途中で、車を降りて歩くとき、転ばないように気を付けてあげること。いざという時のために杖も準備しておくといいかもしれない。「隠者」の義父の視線の先には、親子の絆でしっかりと結ばれた息子と自分たち三人の姿がある。年老いた義父の拠り所はわが息子であるようだ。その気持ちを受け止めて、両親を伊勢に連れていけば、息子であるご主人にとって、これ以上ないくらいの大きな親孝行ができるだろう。
アドバイスカードは「太陽」。光輝く太陽は、天照大御神。Nさんはこのカードを見て、伊勢神宮参りは絶対うまく行くと確信できた。義父母の願いをかなえるためにもできる限りのサポートをして、やり遂げなければならないと強く決意した。
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