Q. Iさんは、最近、若いころからずっとやりたかったフランス語の勉強を始めた。きっかけはアロマで、アロマの伝統と南フランスの深い関わりを知ってから、フランス語への気持ちが高まってきたのだ。そこで、IさんはNHKのラジオ講座で学ぶことを決意。早速、テキストを片手に始めた。ところが、いざやり始めると、思っていたようにいかない。そんな時、パリに3年間住んでいたという人と出会った。その人は、自分のフランス語にさらに磨きをかけるために学校に通っていると言う。行き詰るIさんに、その学校の基礎クラスを勧めてくれた。フランスへ一人旅をしたいと夢を持っているIさん、親切な友人のアドバイスを受けて、学校に通った方がいいかどうか迷っている。
(H・Iさん 40代 神奈川)
A.(1)
現状 |
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現状カード、逆向きの「運命の輪」は、一人でフランス語の学習を始めたものの、うまく行っていないIさんの現状を、よくあらわしている。予定では、海の流れに乗ってスイスイ進む船のように、スムーズに学習が進むことで、どんどん弾みがついているはずだった。一年後にはいよいよフランス一人旅だと意気込んでいたのに、見込み違いで悪循環に陥っている。
(2)
経緯 |
現状 |
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天使がラッパを吹き、下にいる人間がそれを聞き入っている様子は、まるで、ラジオ講座を聞いているIさんそのものである。カードは逆向きなので、ラジオ講座を頼りに独学で学ぶのは、少し無理があるようだ。
(3)
展望は、ベールの中で一人静かに本を開ける「斎宮」が正立なので、今は独学で行き詰っていても、課題が解決すれば、自宅で一人学習しても功を奏することが見て取れる。
(4)
「運命の輪」Rの対策カード「悪魔」から見れば、何かを学ぶ立場のIさんは、もちろん小悪魔である。カードは、Iさんに、信頼のおける先生のもとで手ほどきを受けることを勧めている。教えることのプロであれば、学習者がどこでつまずき、何を苦手とするのかが分かっている。Iさんは先生につくことで、学習のポイントをつかむことができ、学ぶ楽しさや身についているという確かな手ごたえを実感できるだろう。
(5)
「審判」Rの対策カードは「愚者」。一歩前に踏み出すことで、今までのところから離れることを勧めるカードである。「愚者」の行先は「悪魔」、フランス語の先生のところである。Iさんは、問題点も解決法も、あまりにもぴったりのカードが出て、びっくりする。学校に通うとなると、授業料がかかることもあり、二の足を踏んでいたが、迷いようがないほど、明確な指針を得て心が決まった。展望が「斎宮」の正立であるから、ずっと通い続けるというよりは、基礎の手ほどきを学校で受け、それを自宅の学習に活かせばいいことが分かる。
アドバイスカードも「運命の輪」となった。フランス語に縁のある人と出会い、その人がIさんに貴重な情報をもたらしてくれた。この絶妙なタイミングで起こったことを、しっかり受け止め、フランス語を身につけるチャンスにしようと思った。これを機に、フランス語の学習は順調な流れに乗るだろう。
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