Q.Eさんはついこの間までは熟年離婚を考えていた。ワンマンで、気に入らないことがあると家族に手を上げることもあった夫は、長引く不景気で仕事に行き詰まり、今は家でブラブラしている。ハローワークに出かけても仕事はなかなか見つからないので、ますます不機嫌で、家ではわがままぶりが目に余る。家計を支えるのはEさんしかいない。睡眠時間を削って二つの仕事を掛け持ちし、合間に家事をこなし奮闘している。ある意味で、熟年離婚はEさんの希望のよりどころでもあった。ところが、タロットやカバラーを学ぶうちに自分の考え方に変容が起こり、今までは夫が悪いとしか思えなかったのに、自分にも問題があるのでは・・・と思い始めたのである。熟年離婚は問題の解決にならない、直面すべき問題から逃避してはいけないと思えるようになったのだ。すると事態は全く違って見えてくる。もう一度だけ夫と向き合ってみよう。でも、そのための助言がほしい。そこでタロットを開いた。(M・Eさん 50代 東京)
A.
(1)
現状 |
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仕事に行き詰って家にいるEさんの夫である。次の仕事も見つからない。根っからの仕事人間だったから、肝心の仕事がないと落ち着かない。苦しさから人間的な未熟さがつい出てしまう。
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経緯 |
現状 |
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経緯は「悪魔」R。家族の中での夫のワンマンぶりが目立つ。特に仕事がうまくいかなくなってから機嫌の悪い時が多く、気に入らなければ感情を爆発させたり手を出してしまう夫。Eさんも息子もできるだけ関わらないように遠巻きに見ている。
(3)
展望は「運命の輪」Rである。この状態を放置すれば、夫婦の間も家族の関係もどんどん悪くなる。いったん悪循環のループの中に入ってしまうと、その輪から抜け出ようにも出られなくなってしまう。Eさんは、基本カード3枚が逆向きで出たのを見て深く納得する。同時に修復不能になるまで放置してはいけないと強く思った。
(4)
「仕事師」Rの対策カードは「斎宮」が出た。「斎宮」はEさんだ。カードはEさんにこの現状を冷静に受容することを勧める。精神世界を熱心に学ぶEさんは、そこで得た智慧のおかげで物事を深く理解するようになっている。その智慧を活かして夫の現状を受け止めるとよい。
(5)
「斎宮」の注目カード兼「悪魔」Rの対策カードは、「戦車」となった。「戦車」は自信を持って意気揚々と突き進む男性である。かつては仕事で成功を収めたこともあった夫。その時はEさんや家族にとって頼りになる英雄だった。もう一度夫が自信を取り戻し、苦難に立ち向かう気概を持てるようになれば、自分の立場を顕示するために暴力や感情の爆発は要らなくなるに違いない。そのために大きな器で後ろから支えてあげるのが「斎宮」のEさんだ。
(6)
「戦車」の注目カードは「審判」である。家族が一つになっている。かつてのEさんの家族像とダブる光景である。本当の夫の願いはここにあるのではないだろか。左側の女性が右側の男性を信頼のまなざしで見つめるように、努めてEさんのほうから夫の良き所を見つけて言葉に表すようにすれば、夫の心にもきっと届くだろう。
(7)
「運命の輪」の対策カードは「13」。悪循環を断ち切って、再出発しなさいとのメッセージ。Eさんに変容を促す。熟年離婚を考えるほどにたまった不満や不幸意識を削ぎ落とし新たな気持ちで一歩踏み出すことを勧める。
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経緯 |
現状 |
展望 |
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「13」の注目カードは「節制」が出た。Eさんのめざすべきは、苦しむ人に手を差し伸べる救済の女神である。荒れる夫は本当は独裁者ではなく、苦しくて助けを求めているのかもしれない。男としてのプライドがあるからつい粗暴になってしまうのか・・・。タロットを展開したおかげで、もやもやが吹き飛んだEさん。家庭再建に取り組む決意をした。
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