Q.12年前に一瞬の経営判断のミスから多額の負債を抱えることになったTさん。当時、Tさんの会社をよく知る会計士からは、会社を閉じすべてを手放す道を強く勧められたが、Tさんは踏みとどまった。そして妻の協力を得て事業再建を目指し、果敢に負債返済に取り組んできた。その道のりは決して平坦ではなかったが、努力の甲斐あって今年に入ってやっと軌道に乗るようになってきた。すると、円滑現象が起きたのか、何もかもがよい方に展開し始め、負債返済にも目処がつき、見通しは一気に明るくなってきた。「人生の風向きが変わろうとしている!」と、心の中でつぶやくTさん。12年を振り返ってしみじみ思うTさんは、人生の大きな節目にいる今この時に、妻と旅に出てリセットしたいと思っている。仕事の忙しいさなかではあるが、どうだろうか。(S・T氏
東京 60代)
A.
(1)
現状 |
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救済の女神がTさんに微笑みかけてくれる。そのまなざしは温かく、今までのTさんの苦労をねぎらい、「よく頑張りましたね。ここらで少し休み、疲れをとるといいですよ。」と語りかけてくれるようである。妻との旅行は今までの心身の疲れを癒すよき慰安旅行となる。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯は「戦車」。今年に入ってから事業は順調に進んできたとのこと。カードが示す通りである。Tさんは負債を抱えていたが、返済のために目先の利益を追い求めることはなかった。安易さに流れることなく、自分の事業スタンスを守りながら、向かい風に力強く立ち向かってきた。Tさんの精神的な強さが駆動力となって成果を出すに至ったことがわかる。
(3)
展望には「13」が出た。「13」は変容をあらわす。「人生の風向きが変わろうとしている!」と感じ取ったTさん。その予感は正しい。このカードからは、Tさんの人生が新しいステージに入っていくことが読み取れる。12年間の苦難はTさんの心をどれほど鍛えてくれたことか。気がつけば、苦難から得た学びは、「13」の背骨にある麦のように、かけがえのない実りとなっている。この実りを携えてTさんは次の人生を切り開いていく。妻との旅行はねぎらいとなり、次のステップに向けての充電にもなるだろう。
(4)
「戦車」の注目カードは「仕事師」R。軌道に乗る前のTさんの状況はまさしくこれであった。去年までは四苦八苦。あれこれ試すが決定打となりえず、自分自身をなだめすかして、かろうじてつないできた日々であった。
(5)
「仕事師」Rの対策カードは「月」であった。「月」には2匹の犬が口を開けて向き合っている。2匹の犬は言わずと知れたTさんと妻である。外からは窺い知れないTさんの苦境を理解し内側で支えた妻。励まし合い、時に激しい口論になることもあったが、2人は仕事再建をあきらめなかった。どちらかが弱音を吐くと、もう一方が頑張ろうと言ってやってきた。こうしてきたからこそ、やがて事業は「戦車」のように軌道にのるようになったのだ。Tさんが仕事で行き詰った時の最大・最強の援護者は妻である。本音でずけずけ言うからカチンとくることもあるだろうが、Tさんの事業達成には妻の協力が欠かせない。
(6)
「13」の注目カードは「運命の輪」である。新しいステージでの船出である。人生も事業も幸運の追い風を受けて展開していくだろう。実は、Tさんは残りの人生ですることをもう決めている。自分の使命として何としてもやり遂げたいと思っていることがあるのだ。負債があるときはそれどころではなかったが、やっとその時がきた。幸運の女神のおかげとの思いが強いTさんは、このチャンスを絶対活かすつもりでいる。「13」と「運命の輪」に親縁している剣が、その決意の強さを物語っている。
数枚の展開なのに、Tさんは自分の人生の縮図を見る思いだった。妻との旅行も決めた。これまでのねぎらい、そして新しい門出を祝う旅にするとよいだろう。数枚の展開なのに、Tさんは自分の人生の縮図を見る思いだった。妻との旅行も決めた。これまでのねぎらい、そして新しい門出を祝う旅にするとよいだろう。
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