Q.Hさんのお父さんは定年退職して2ヶ月になる。しばらくは、家族もお疲れ様の気持ちを込めて、お父さんの好きなようにすればいいと思っていた。ところが、当のお父さんはボーっとして元気がない。あまりにもそんな日々が続くので、家族の方が心配になってきた。両親から離れて暮らすHさんも気になり、犬でも飼うように勧めれば気晴らしになるのでは・・・と考えた。このアイデアはお父さんにプラスになるだろうか。(H・Kさん 山梨 30代)
A.
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現状 |
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定年退職は人生の大きな節目である。無事定年まで勤め上げることができた安堵感と同時に、今までの疲れがドッと出ている様子。長い時間をかけて大きなことをやり遂げたあとは、心身が消耗し、ボーっとして何もしたくない。Hさんのお父さんは、まさに今この状態にある。
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経緯 |
現状 |
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経緯は「恋人」R。退職してからずっとうちにいる。ボーっとして、誰と話すでもなくごろごろしている。会社勤めをしていたころとは状況ががらりと変わって、コミュニケーションが足りない。
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展望は「隠者」R。逆向きの「隠者」は孤独だ。定年退職したお父さんもこのままでは孤独でさびしい日々を過ごすことになりそうだ。
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「星」Rの対策カードは「戦車」。「戦車」は外を勢いよく走っている。、勤め上げる中で培った経験や能力が活かせる機会を持つようにした方が、お父さんの元気回復の一助となりそうだ。犬でも飼えば寂しさがまぎれるかと思っていたHさんだが、どうやらカードはもっと積極的な方法を示唆しているようだ。
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「戦車」の注目カード兼「恋人」Rの対策カードには「教皇」が出た。「教皇」は地域の長老をあらわす。「教皇」のような立場で役割を果たしていくのはどうだろう。人生の先輩として地域に役立ち、また若い人たちから頼られるような存在になれたら、きっと生きる張り合いになるだろう。伝統行事や祭り、神社などの世話役など、年配者ならでは活躍の場がある。まさに「教皇」にぴったりではないか。
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「隠者」Rの注目カードは「太陽」Rになった。元気が出ないHさんのお父さんだ。うちの中にいるばかりだとますます元気がなくなる。地元のお付き合いも少ないのではないだろうか。
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「隠者」Rの対策カードは「節制」。孤独を癒すには、少しずつ周囲の人たちと交流をすることだ。Hさんも折を見て話しかけるとよい。娘であるHさんが、お父さんに家族や地域にとって貴重な助言者であることに気づかせてあげることができたら、最高の親孝行になるのではないだろうか。
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経緯 |
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展望 |
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「太陽」Rの対策カードは「世界」となった。一つの輪で皆がつながっている。地域社会とつながり、利害を超えた関係の中で自分の役割が見つかることは、晩年の人生を本当に楽しくしてくれる。地域の中で若い人たちから頼りにされ、人生経験を活かせるようになったら、おのずとHさんのお父さんも元気になるだろう。
最初は、ペットでも飼えばいいと安易に考えていた。年老いていく親に娘としてやるべきことがあることに気づけたのは、タロットを展開したおかげだ。Hさんにとってい大きなおおきな気づきだった。
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