Q.Yさんはヒーリング講座の講師をしている。職業柄、常に研鑽を積む努力が欠かせないので、勉強会や講演会への参加も熱心だ。そんな中、Yさんが尊敬する先生の講演会が夏に行われることになった。喜びもつかの間、スケジュールを見ると東京での講演会の日にはすでに仕事が入っていて、動かせそうにない。講演会は地方でも行われ、地方の開催日ならなんとかなる。せっかくのチャンスだから参加したほうがいいに違いない。でも3時間の講演会のためにスケジュールを調節し、飛行機でとんぼ返りするなんて無謀だろうかとも考えてしまう。気持ちは参加するほうに傾いているが、決心がつかない。(S・Yさん 東京 50代)
A.
(1)
現状 |
|
「力」はもちろんYさん。逆向きなのはよく分かる。地方の講演会に参加するとなると、かなり過密スケジュールになる。滞りなく全部できる?バタバタと振り回されるだけにならない? 交通費だって結構かさむし・・・。自分の中の不安がライオンのように次々と言い分を吠えたてて、自分を追い詰める。あれこれ考えるうちに、自分の力量では無理ではないかかと懸念するYさんの現状だ。
(2)
経緯 |
現状 |
|
|
経緯は「運命の輪」が出た。輪は流れに乗ってゆっくり回る。Yさんの仕事もこんな感じで順調に進んできた。尊敬する先生の講演会に多くの人が集まることで、Yさんの仕事の認知度も高まる。Yさんの仕事の追い風になる、実にタイムリーな出来事だ。
(3)
展望は「愚者」R。気持ちは参加する方に傾いているとはいうものの、いざ航空券の手配など現実的なことになると、なかなか一歩が踏み出せない。参加を決めている仕事仲間に後で話を聞かせてもらうことにしようかとも考えたYさん。自分が愚者にべったり寄りかかる犬のように見えて、これは問題なのだと痛感する。
(4)
現状の対策カードは「太陽」である。二人の人物が手を取り合っている。この二人はもちろん、YさんとYさんの尊敬する先生である。思い切っていけば、Yさんが大勢の参加者の一人にすぎなくても、先生は歓迎してくださる。お金がかかるだの忙しいだのと、屁理屈をこねていた自分が恥ずかしい。情報は後で聞けば分かるかもしれない。でも、一期一会の中で先生から受けるものは、その時のその場でしかない。それこそがYさんのかけがえのない財産になる。このカードが出た時点で、Yさんの心から迷いが消えた。
(5)
展望の対策カードは「正義」。正義の女神から、甘えてはいけませんとたしなめられた感じがする。ヒーリング講座の講師として一人前になるためにも、現実を直視しなければならない。ちょっと大変なことがあると安易に他人の力を頼もうとする自分。「その道のプロとしてやっていくには、まず自分の心の中にある安易さを断ち切ることです!」と正義の女神。「ごもっとも。おっしゃるとおりです。」とYさん。
早速、航空券の手配に取りかかることにした。
前のケーススタディへ