Q.外資系の会社でバリバリ働いているIさんはまもなく30歳になろうとしている。Iさんはアメリカにいた時、出会った20代のカナダ人の男性に一目ぼれし、その男性と交際を始めた。以来、相思相愛の仲となり、彼からは熱烈なメールが毎日届くようになる。Iさんは休暇を利用してカナダの彼の実家へも遊びに行き、彼の両親とも交流を深めた。彼はまだ日本に来ていないが、Iさんの両親にはプレゼントを送ってきて、Iさんの両親も彼をとても気に入った。そんな中、彼は歯科技師になるべく、サンフランシスコの大学に入学する。Iさんに毎日来ていたメールは週一回に。大学の勉強の大変さや、学内の行事(女性の学友とパーティに参加したこと)などを伝えてくる。彼の気持ちは分かっているつもりでも、離れているが故にさすがに不安になってくる。今年中には彼に会いたいが会えるだろうか。(S・Iさん、神奈川、30代)
A.
(1)
現状 |
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Iさんだ。彼からのメールを心待ちするIさん。彼の現状を受け入れ、賢明で冷静な女性であろうとしている。「女性の学友とパーティに行った」などと聞かされると、心を不安がかすめないでもないが、彼の気持ちを信じ待とうとするIさんの芯の強さがにじみ出ている。
(2)
経緯 |
現状 |
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「戦車」Rは彼だ。「戦車」が逆向きになるほど、彼は忙しく大変であったのだ。メールでは「会おう、会おう」と言いながら延び延びになってきたが、会いたくてもどうにもできない事情があったのであって、Iさんを疎かにしたのではない。その証拠に「戦車」R(彼)は済まなさそうに「斎宮」を見ている。そもそも二人の出会いは、Iさんの一目ぼれから始まったので、Iさんにとって彼は、理想の「白馬の王子」だった。大学へ入ることにより彼の環境は激変し、その大変さを頭では分かっていても、心のどこかで彼に理想を求めすぎていたかも。相手に理想を求めすぎて、自分の心の中で不安を作りだしていたのかもしれない。
(3)
「展望」は「世界」。クリスマスの頃に彼に会えればと思っていたIさん。願いは叶うだろう。「世界」の中央の人物は、クリスマス休暇にワクワクして飛行機の乗り込むIさんである。また、クリスマスのリースに囲まれて楽しく踊る姿は、Iさんが久しぶりに彼に会えて喜びで弾ける様子を示唆している。
(4)
「戦車」Rの対策カードは「13」が出た。変容を促すカードである。忙しい大学生活の中で身動きできない彼に、以前と同じように何かをしてもらおうと考えるのをやめ、自分から活路を切り開くことを勧めている。
(5)
「13」の注目カードは「星」になった。カードの展開はIさんに、惜しみなく壺から注ぎ続けるこの女性のようでありなさいと語る。今年中に二人が会うためには、どちらかが動かなければならない。国際恋愛なので動くにはお金もかかる。金銭的にも余裕のあるIさんが二人の関係のために気前よく投資するとよいだろう。「13」と「星」の二枚は、将来のために必死に学ぶ彼と、愛を注ぎ続けるIさんの姿にも見える。Iさんの両親に「外国人なのにサムライの魂を持っている」と言わしめた彼。今は、その彼に尽くす時であるようだ。
カードの展開から、二人の関係に何ら不安がないことが確認できたIさん。受け身の状態で待つばかりでなく、自分から働きかけるヒントも見つかったとのこと。
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