Q.Mさんは現在妊娠中である。長い間、待ち望んできた妊娠がわかって以来、Mさんはうれしくてならない。今は出来上がったばかりの新居で、母になる日を夢見ている。家事が好きなMさんは専業主婦として優秀であるが、Mさんの興味は家庭にとどまらない。以前から学んできたアロマテラピー、タロット、ホメオパシーなど、癒しに関わる勉強を、妊娠以降も続けているのだ。こうした勉強はMさんに喜びをもたらしてくれるので、Mさんとしては今後も、とにかく続けたいと思い、実は、近々始まる講座にも申し込んでいる。キャンセル待ちが出るほどの人気講座で、Mさんはやる気満々なのだが、だんだん大きくなるお腹を見て、ご主人などは、くれぐれも無理をしないようにと言う。その心配もわかるだけに、受講する気満々のMさんの気持ちは揺らぐ。どうしたらいいだろうか?(M・Iさん 30代 埼玉)
A.
(1)
現状 |
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この建物はMさんが受講予定のスクールをあらわす。数カ月にわたる講座なので、やる気満々ではあるが、出産時期を考えると全部に参加することはできない。Mさんのご主人もハラハラしている。ならば、自分が抜けてキャンセル待ちしている人に譲ったほうがいいかと考えてしまうMさん。建物から半身を乗り出す人物は、まさにMさんの現在の心を映し出している。
(2)
経緯 |
現状 |
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癒しの勉強をしてきたMさん。癒しの学びには古くからの教えがたくさんある。その智慧に触れることが嬉しくて熱心に学んできたが、学ぶほどに自分の未熟さから、十分受け止めきれないもどかしさを感じている。まさにこのカードの弟子の状態である。
(3)
展望は「宙吊り」Rが出た。Mさんは妊娠して初めて、以前のようにてきぱき家事をしたり行動することの難しさを感じている。この先大きくなるお腹のことを考えると、ますます困難も大きくなるに違いない。生真面目なMさんだから、心の中では、「こんな時に、申し込んだ講座に参加したいと思うのはエゴだろうか?自分の思い込みに執着しているだけなのだろうか?」と、自分を追いつめてしまいそうだ。いけない、いけない。こんな苦しい心の状態はお腹の子にいいはずがない。
(4)
「教皇」Rの注目カードは、「愚者」である。癒しの勉強を始めたころのMさんである。新しい世界を知ることが楽しくて、夢中になって次々と学んできた。今では一歩踏み出して本当によかったと思っている。
(6)
「教皇」Rの対策カードは、「恋人」。選択をあらわすカードである。天上からは、赤ちゃん天使が地上の状況を窺い、地上では人々が話し合っている。Mさんにとって、最優先すべきことはまさにこれから迎える出産である。この人生の一大事にご主人と協力して臨むことが、Mさんの選択すべきことである。
(6)
「宙吊り」Rの対策カードは「月」が出た。月と母性・出産は密接につながっている。ここでも、妊娠から出産をまず大切にしなさいとのメッセージ。しかも、あと10日ほどで、知人から生後間もない子犬を貰い受けることになっているという。「月」にも犬が出ているのでMさんはもうびっくりだ。子犬が来たら、世話はMさんがすることになる。家事をこなし、子犬の世話もすると、もう手一杯かもしれない。
タロットを展開したおかげで、Mさんの鬱積した気持はなくなった。今の時期に一番大切なことが確認でき、学ぶことに対しても変なこだわりがとれた。受講も出産も自然体で臨めそうだ。
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