Q.雑誌編集の会社に勤めるMさんの職場は忙しい。特に新年度を迎える春先はどれだけ時間があっても足りないほどである。そのさなかに、この度の東日本大地震に見舞われた。地震後は会社に行けない日もあり、仕事はたまる一方。でも、期日までにはすべてをやり終えなければならない。何人かの部下もいるが、Mさんの担当部分は熟練を要するのでMさんが一人で行ってきた。震災以降、必死にやっているが、完了には程遠い状態である。納期までに無事完了させるためのアドバイスをタロットで見ることにした。(K・Mさん 30代 東京)
A.
(1)
現状 |
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震災の影響もあって、スムーズに仕事を進めることができないMさん。たまる一方の仕事を前に気持ちの焦りもあって、うまくやりくりできていない現状をよくあらわしている。普段のMさんは、一つずつじっくり丁寧にこなすタイプだ。しかし、今回はいつもと同じようにやっていると時間が不足し、仕事の流れに支障を来たしそうだ。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯は「隠者」R。一人で黙々と仕事に打ち込んできたMさんである。自分が納得するまでとことんこだわるので、Mさんの仕事ぶりは評価が高い。しかし、この度の巨大地震による非常事態の中では、一人だけでこなすことには問題がある。確かにそうだ。Mさん自身もこんな調子で本当に大丈夫だろうかと思っているほどなのだから。
(3)
展望は「正義」R。このままいくと、事態はますます厳しくなる。頑張りすぎてMさんが心身のバランスを崩してしまうとか、どう頑張っても納期に間に合わなくなるなどの深刻な事態が発生しかねない。
(4)
「節制」Rの対策カードは「戦車」である。一人でやりくりする「節制」に対し、「戦車」は御者が二頭の馬をうまく操っている。これはまさにMさんと部下のことを示唆している。これまで自分の担当する仕事に部下を使うことはなかった。未熟な部下に、熟練を要する仕事を任せられなかったからだ。しかし、タロットは、Mさんが部下を使いこなして仕事をすることを勧める。新米の部下でもできることを手ほどきして協力体制を作り上げれば、仕事の効率は上がり、Mさんもずっとやりやすくなる。また、人を使うことで人間的にもずっと成長できる。
(5)
「戦車」の注目カード兼「隠者」の対策カードは「恋人」になった。仲間とのコミュニケーションがここにもあらわれている。「隠者」のように一人でやり続けるより、社内で協力し合えるよう相談を持ちかけるとよい。もちろん、部下へも。自分の仕事のスタイルを単独作業からグループ作業へ発展させるチャンスである。
(6)
「正義」Rの対策カードは「月」である。「月」は夜をあらわすので、必要であれば残業もして完了させる覚悟は必要である。また、忙しい時ほど疎かになりがちな生活のリズム、栄養のある食事、十分な睡眠などに気をつけるとよいだろう。体調が整っていると、昼間の仕事にも精力的に取り組むことができる。
展開を見て、何とかできそうだと展望が開けたMさん。中間管理職的な立場を与えられているのだから、その立場を自覚して組織的な仕事のやり方をしていくなら、Mさんにとってピンチはチャンス、成長の絶好の機会とすることができる。Mさんもそのつもりだ。
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