Q.看護師のTさんは、仕事が大好きで趣味もたくさん持っているので、毎日が充実している。自分の生き方に十分満足しているので、こんな人生をずっと送ってもいいかと思っている。でも、田舎に帰ると、母親はそれほどでもないが、祖母は早く結婚しなさいとうるさい。これまで交際した男性もなく、結婚願望もなかったが、もし、結婚について考えるとしたら、まず何から取りかかればよいだろうか?(Y・Tさん 30代 東京)
(1)
現状 |
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現状は「仕事師」が出た。「仕事師」はTさんの恋人と言いたいところだが、恋人のいないTさんにとって、このカードは大好きな仕事をあらわしている。仕事が恋人であると言ってはばからないTさんである。
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経緯 |
現状 |
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経緯は「悪魔」R。小悪魔が「悪魔」の魅力にすっかり虜になり、釘づけになっている様子が描かれるが、逆向きである。カードの通りで、Tさんはこれまで、Tさんの心をわしづかみにするほど魅力的な男性との出会いがなかったのである。そのため、Tさんの関心は恋愛や結婚より仕事に向けられてきた。
(3)
展望の「戦車」は、女性にとっての理想の男性である。Tさんとて、結婚願望はなくても、女の子なら誰しも抱く「白馬の王子」像がないわけではない。長らく仕事を恋人にしてきたTさんであるが、今後の人生を一緒に生きる相手としてどんな男性を求めるか、理想の男性像を明確にするとよいだろう。
(4)
「悪魔」Rの対策カードは「斎宮」となった。「斎宮」は一人で心静かに宙を見つめている。瞑想しているのかもしれない。「斎宮」は精神性の高い女性である。Tさんもまた、外見を着飾ったり化粧やエステで見た目の美しさを追求したりするより、精神的な美を求めることに熱心である。パートナーについても、精神的なつながりを大切にできる男性なら受け入れてもいいかと思える。外で探す前に、まずじっくり自分の内面に向き合ってみることだ。
(5)
「斎宮」の注目カードは「審判」である。じっくり自分に向き合うことで、自分の心の奥に隠れていたものは明らかになってくる。結婚を想定していなかったときには見えなかったものが、結婚を前提に自分の心の中を覗いてみると、心の表層に現れてくるものがあるに違いない。瞑想の中では、日常意識の自分では気付かない、真の自分から発せられる声に耳を傾けることができる。Tさんが本当に求めているものは何なのか、ひょっとしたら、魂の片割れともいうべき男性と出会って、聖家族を持つことかもしれない。どの人にとっても結婚は人生の最も重要なことであるから、世間の常識や周囲の言い分に振り回されず、自分の心に向き合うことから、答えを引き出すとよい。
人生設計の中に「結婚」はなかったTさん。タロットの展開で、精神生活を共有できる相手なら考え直そうかというところまで来た。最初の一歩はなんとか踏み出せそうである。
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