Q.Hさんは読書が大好きである。自分の知らなかった世界が開け、その世界や時代を作った人たちの生き様に触れることで、精神的に豊かになれるからである。たいして関心を持たなかったことでも、紹介者の巧みな取り上げ方のお蔭で、素晴らしさの発見につながることがある。Hさんは、最近、桃山時代に活躍した画家に興味を持つようになったが、これもある作家がその画家の生涯に光を当ててくれたからである。人間としての弱さに悩みながら精進する画家の生き様に共感しながら、作品のいくつかを本で見るうちに、印刷した本からではなく、直接本物を見たいと思うようになった。管理職のため仕事も忙しいが、春になったら休みを取って夫とともに出かけたいと考えている。どうだろうか?(S・Hさん 60代 東京)
A.
現状 |
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現状には「星」Rが出た。Hさんはこのカードを見て自分の心の中を見透かされたようにドキッとした。Hさんは、何でも「これはいい!」と思うと徹底して入れ込む性格で、しなければならないことがあっても、ついつい好きなことにのめり込み、そのためにうっかりミスをして人に迷惑をかけてしまうことがあるからだ。精神的に豊かになれることは素晴らしいことだが、逆向きカードが示すように、周囲が見えなくなるほどのめり込むことは要注意とのメッセージ。これまでの経験からも、鋭く痛い指摘であると実感する。
(2)
経緯 |
現状 |
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経緯は「皇帝」である。今にも立ち上がらんとする「皇帝」は実人生の中で行動力を持った人である。Hさんにとって、ある作家が取り上げた桃山時代の画家は遠く離れた存在ではなく、今の時代に活躍している人のようにリアルな存在だ。だから、その人物に惚れこむと、実際に足を運んで彼の描いた作品を自分の目で観、本物が発する息吹に触れたいと思う。実行する人である「皇帝」は、Hさんにこうした思いを現実化するよう後押ししている。
(3)
経緯は「皇帝」である。今にも立ち上がらんとする「皇帝」は実人生の中で行動力を持った人である。Hさんにとって、ある作家が取り上げた桃山時代の画家は遠く離れた存在ではなく、今の時代に活躍している人のようにリアルな存在だ。だから、その人物に惚れこむと、実際に足を運んで彼の描いた作品を自分の目で観、本物が発する息吹に触れたいと思う。実行する人である「皇帝」は、Hさんにこうした思いを現実化するよう後押ししている。
(4)
「星」Rの対策カードは「仕事師」が出た。「仕事師」はテーブルに並べたものを手際よく扱っている。好きなことに没頭しても、仕事や日常生活でしなければならないことは、「仕事師」のようにてきぱきとこなすことである。特に、春先は時節柄、仕事も忙しくなるので、仕事に支障を来さない配慮が必要である。
(5)
「仕事師」の注目カード「悪魔」は、職場の人間関係をあらわす。悪魔はHさん、小悪魔はHさんの部下である。部下をうまく使いこなし、期待通りの仕事をしてもらうために、Hさんは部下の心をつかむように心がけるとよい。そうすれば、仕事に穴を開けずに済む。
(6)
「皇帝」の注目カードは「宙吊り」となった。桃山時代の画家に興味を持つことなど、それまでのHさんには考えられなかった。しかし、その画家の取り上げ方がうまかった作家のおかげで、Hさんは作品だけでなく、その画家の心境の深まりにも共感するようになった。「宙吊り」は、180度見方が変わったこの出会い如実に表している。静かだが、心が満たされる出会いである。
タロットの展開から、注意事項がよくわかったHさん。春までまだ時間がある。用意周到に準備するつもりだ。仕事の段取りも見学先の寺院の下調べも。
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